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蓮司
「購買のパンって早いもん勝ちなの理不尽だよな」
日下部
「ジャムパンとかすぐなくなるよな」
遥
「……オレ、購買の列って並ばない」
蓮司
「あー、混むの嫌いとか?」
遥
「いや、並んでるとたまに背中蹴られんだよ。後ろから。……わざと」
日下部
「それ、並ばない選択肢になんの……?」
蓮司
「先生の雑談のほうが授業より人気あるやつ、だいたいいるよね」
日下部
「雑談のが長いタイプの教師な。もう教科書開かねぇし」
遥
「……雑談入った瞬間、オレ寝る」
蓮司
「遠慮なさすぎだろ」
遥
「だって内容聞かなくてもノート回ってくるし」
日下部
「誰からもらってんの」
遥
「……知らね。机に置いてあった」
蓮司
「おまえ、無意識に“被保護者属性”出してない?」
遥
「それ、病名か?」
日下部
「違う」
蓮司
「あと、教室で『○○のこと嫌いな人、正直に手ぇ挙げて!』って空気で言うやついたよな」
日下部
「あるな、あの吊るし上げ形式。きっつい」
遥
「あー……中学の時、毎週“今週の嫌われ者”って回ってきてた」
蓮司
「なにそれレギュラー制?」
遥
「名前が黒板に書かれて、昼休み誰も口きかなくなるやつ」
日下部
「……」
蓮司
「えっ、おまえ……それ、何週くらいやってたの?」
遥
「んー……2年くらい?」
蓮司
「レギュラーじゃん」
日下部
「その制度作ったやつ捕まってほしい」
遥
「つくったの、担任」
蓮司
「マジで捕まれ」
蓮司
「でも、なんだかんだで今はさ、
この教室が、居場所になってるやつもいんだよな」
遥
「……おまえの“支配”がうまく回ってるって話?」
蓮司
「ん?オレは“支配”なんてしてないよ。
みんな自由に、オレに従ってるだけ」
日下部
「それが“支配”だって言ってんの」
遥
「……まぁ、前よりはマシだけど」
蓮司
「感謝されちゃった」
日下部
「感謝じゃねえだろ」
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