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Ak _ @ nrkr
39
#ご本人様には関係ありません
お粥。
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211
朝。
「おはよ」
澪継が言う。
「おはよー」
春真が返す。
「……今日、暑い」
「昨日よりやばいな」
「……うん」
短い会話。
いつも通り。
でも――
「……なあ」
澪継が言う。
「何」
「……自分で選んだのに」
昨日の続き。
「うん」
「……意味ないって思うとき、ある?」
そのまま聞く。
「は?」
春真が少し笑う。
「あるだろ」
軽く言う。
「普通に」
「……そう」
澪継は頷く。
「……」
それ以上は聞かない。
聞いても、同じ答えだから。
教室。
「……おはよ、坂本」
「ああ」
「……昨日の英語」
ノートを開く。
「ここ、こうでいい?」
「それでいい」
「……ありがと」
短い会話。
でも――
ここは、崩れない。
三時間目後。
「なあ」
いつもの三人。
「昼な」
「……うん」
頷く。
「今日さ」
一人が笑う。
「変えなくていいよ」
唐突に。
「……」
澪継は少しだけ止まる。
「昨日つまんなかったし」
軽く言う。
「普通でいい」
その一言。
「……」
胸の奥が、少しだけ沈む。
“普通でいい”
それは。
許可でもあり、否定でもある。
「……分かった」
短く返す。
昼休み。
机が動く。
空間。
「来い」
呼ばれる。
歩く。
止まらない。
「……最初に」
言う。
「最後、一個。区切る」
そこまでは同じ。
「はいはい」
流される。
「で?」
一人が言う。
「今日は普通な」
念を押す。
「……うん」
頷く。
逆らわない。
囲まれる。
距離。
視線。
「やれ」
「……うん」
動く。
順番をなぞる。
昨日までの“選び”を捨てる。
元に戻す。
「……」
空気は安定する。
迷いもない。
流れも速い。
「いいじゃん」
声が出る。
「やっぱこっちだな」
笑い。
評価。
「……」
澪継は、止まらない。
そのまま進める。
終わりまで。
途中。
「なあ」
一人が言う。
「お前さ」
「……」
「昨日のいらなくね?」
笑いながら。
「変なことしなくていいって」
軽く言う。
でも――
はっきりしている。
「……」
澪継は、何も言わない。
返さない。
ただ、続ける。
「……これで最後」
言う。
「区切り」
「はいはい」
終わる。
「はい終わり」
自分で言う。
空気が切れる。
「……」
そのあと。
「なあ」
声。
「澪継」
名前。
「……何」
返す。
「やっぱさ」
笑いながら。
「その方がいいわ」
軽く言う。
「普通の方」
その一言。
「……」
澪継は、何も返さない。
返す言葉が、ない。
席に戻る。
座る。
息を整える。
「……」
胸の奥が、静かすぎる。
軽くもない。
重くもない。
ただ――
空白みたいに。
「なあ」
後ろ。
坂本。
「……うん」
「今日」
「……」
「昨日のやつ、やんなかったな」
「……やらなかった」
短く言う。
「なんで」
「……言われたから」
そのまま。
「……そっか」
坂本は、それだけ言う。
でも。
少しだけ間を置いて。
「それ」
「……うん」
「お前のじゃないな」
静かに言う。
「……」
言葉が、止まる。
「……」
否定できない。
肯定もできない。
「……」
坂本は、それ以上言わない。
放課後。
「帰る?」
春真。
「……うん」
並ぶ。
歩く。
少しだけ距離がある。
「今日どうだった?」
「……戻した」
短く言う。
「何を」
「……順番」
「へえ」
軽い反応。
「……」
澪継は続けない。
でも。
「……楽だった?」
春真が聞く。
「……分からない」
正直に言う。
「……そう」
短い返事。
少しだけ間。
「まあさ」
春真が言う。
「合わせる方が楽なときもあるだろ」
軽く。
でも――
現実的。
「……」
澪継は少しだけ黙る。
「……それって」
言葉を探す。
「……自分じゃなくなる?」
そのまま聞く。
「は?」
春真が少し笑う。
「別に」
あっさり。
「全部自分だろ」
「……」
澪継は、黙る。
「選んでんのはお前なんだし」
続ける。
「……」
その言葉は、正しいかもしれない。
でも――
届かない。
家の前。
立ち止まる。
「……なあ」
澪継が言う。
「何」
「……代わりでもいいって」
小さく言う。
「思うこと、ある?」
唐突な問い。
「は?」
春真が少しだけ眉をひそめる。
「何それ」
「……」
澪継は、それ以上言わない。
言葉が足りない。
「……ない」
春真は答える。
迷いなく。
「普通は」
その一言。
「……そっか」
澪継は頷く。
玄関。
「ただいまー」
「おかえり」
「……ただいま」
返事はない。
変わらない。
でも――
今日は。
はっきりしている。
澪継は
・自分で選ばなかった
・元に戻した
・“自分じゃない感覚”を持った
小さい変化。
でも――
それは、今までで一番はっきりしたズレだった。
「……」
部屋に入る。
ドアを閉める。
静かに。
「……代わり」
呟く。
自分がやっていること。
そこに、
自分がいなくても成立するなら――
それは、
誰でもいいということになる。
コメント
1件
うわあああ…第17話、めっちゃ刺さったよ…😭💔 澪継が「自分で選ばなかった」ってところがもう、胸がぎゅってなった。「普通でいい」って言われた時のあの沈み方、すごくリアルで…。坂本の「お前のじゃないな」もズシンときたし、春真の「全部自分だろ」って言葉も正しいのに届かない感じが切なすぎる…。 「代わりでもいい」って呟くラスト、澪継の心の空白がひしひし伝わってきて、続きが気になって仕方ないよ…! 次どうなるんだろう…😢💕