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さぶた@気分屋
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読み終えたよ〜〜😭💕 第21話、めっちゃ心にきた…! 蒼真が髪を切ったのに、問題は髪じゃなかったっていうのが痛いほど伝わってきて、胸がぎゅってなったよ。 悠生の「俺に嘘つくこと増えた」って気づいてる感、優しすぎて泣ける…。 隠し事を抱える蒼真と、それを見抜く悠生の距離感がたまらなく切ないエピソードだった!! 次、どうなっちゃうの…もう待てないよ〜😭💕
髪を切ると決めた翌日。
蒼真は、いつもより早く学校へ着いた。
教室には誰もいない。
窓を開ける。
朝の空気が入ってくる。
少しだけ息がしやすくなった。
自分の席に座る。
机の中を見る。
何もない。
昨日までなら、それだけで安心できた。
でも今は違った。
何もないことすら、疑ってしまう。
一時間目。
先生が黒板に問題を書く。
蒼真はノートを取る。
後ろから小さな声が聞こえた。
「蒼真」
振り返らない。
「なあ」
また呼ばれる。
「……何」
「昨日さ」
蒼真は黙っている。
「お前、帰るの遅かったよな」
「だから?」
「別に」
笑い声。
蒼真は前を向いた。
先生の声が遠く感じる。
休み時間。
紬が蒼真のところへ来た。
「今日、体育だよ」
「知ってる」
「体操服持った?」
「持った」
「珍しい。忘れてると思った」
「俺を何だと思ってるんだよ」
紬が笑う。
「忘れ物多い人」
「失礼」
蒼真も笑った。
紬が離れていく。
その背中を見て、蒼真は少しだけ肩の力を抜いた。
紬の前では普通にできる。
それだけが救いだった。
昼休み。
蒼真は一人で廊下に出た。
教室にいると、誰かに見られている気がする。
階段を下りる。
誰もいない踊り場で立ち止まる。
息を吐く。
そのとき。
後ろから足音がした。
身体が固まった。
振り返る。
悠生だった。
「……蒼真?」
「何」
「いや」
悠生は蒼真の顔を見る。
「顔、白い」
「寝不足」
「また?」
「最近ちょっと」
「大丈夫?」
「大丈夫」
即答だった。
悠生は黙る。
「……俺に言えないこと?」
蒼真は答えない。
「だったら、言わなくてもいい」
悠生が言う。
「でも、何かあったら呼べよ」
「……うん」
「絶対な」
「分かった」
悠生はそれ以上聞かなかった。
放課後。
蒼真は一人で帰ろうとした。
昇降口で靴を履き替えていると、後ろから声がした。
「蒼真」
振り返る。
男子が立っている。
「何」
「ちょっと来て」
「何で」
「いいから」
蒼真は動かなかった。
「行かない」
「何だよ」
「帰るから」
男子が笑う。
「最近、感じ悪くね?」
蒼真は何も答えない。
そこへ悠生が来た。
「蒼真」
蒼真が振り返る。
「一緒に帰ろう」
男子は悠生を見る。
「……友達来たじゃん」
そう言って離れていった。
悠生はその背中を見送る。
「今の誰?」
「クラスのやつ」
「何の用だった?」
「知らない」
「嘘」
「……何でもない」
悠生は何も言わなかった。
ただ、蒼真の横を歩いた。
帰り道。
二人とも黙っていた。
しばらくして、悠生が口を開く。
「なあ」
「ん?」
「最近、俺に嘘つくこと増えた」
蒼真は足元を見る。
「そう?」
「そう」
「……ごめん」
「謝ることじゃない」
悠生は少し前を見る。
「でも、俺は気づいてるから」
蒼真の足が止まる。
「何に」
「お前が何か隠してること」
蒼真は黙った。
「紬は気づいてない」
「……うん」
「だからって、俺まで何も知らないふりするのは無理」
蒼真は唇を噛む。
「悠生」
「ん?」
「俺のこと、変だと思う?」
「思わない」
「怖くない?」
「何が」
蒼真は答えられなかった。
翌週。
髪を切った。
鏡を見る。
短くなった髪。
これなら少しは違って見える。
昔の自分とは違う。
そう思いたかった。
学校へ行く。
教室に入る。
紬がすぐに気づいた。
「蒼真」
「ん?」
「髪」
「切った」
「……なんで?」
「邪魔だったから」
紬は少し眺めてから笑った。
「似合ってる」
「そう?」
「うん」
その言葉だけで、少し救われた。
けれど。
教室の後ろから声がした。
「お、切ったんだ」
蒼真が振り返る。
「うん」
「やっと普通になったじゃん」
笑い声。
蒼真も笑う。
「そう?」
「前よりマシ」
その言葉を聞いて、蒼真は何も言わなかった。
髪を切れば終わると思っていた。
違った。
問題は髪じゃなかった。
放課後。
悠生が教室へ戻ってきた。
蒼真の姿を見る。
短くなった髪。
一瞬だけ目を見開く。
「……切ったんだ」
「うん」
「急だな」
「そう?」
「何かあった?」
「ない」
悠生は蒼真を見る。
「またそれ」
蒼真は笑う。
「本当に何もない」
悠生は、それ以上聞かなかった。
ただ。
蒼真が笑っているのに、少しも嬉しそうじゃないことだけは分かった。
そしてその日。
悠生は初めて思った。
蒼真が隠しているものは、もう「からかわれている」だけではないのかもしれない、と。