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※颯馬は遥の義弟。颯馬の仲間が来る前に颯馬にローター仕込まれて放置されてた遥。
俺の部屋の扉がガチャッと開く音に、心臓が跳ねた。颯馬とその仲間たちが、あのいつもの笑みを浮かべて立っている。
「さあ、今日はどうする?」
颯馬が俺を見下ろす。目が笑っていないのが、余計に怖い。
俺は必死に声を抑えながら、椅子に座り直す。足が小刻みに震えるのを誰も気づいていないはずだ。
「……あ、ああ……」
小さく出た声が、颯馬たちの嘲笑に変わる。
「なにその声、もっと聞かせろよ」
一人が近づき、俺の肩を押す。体が硬直する。
彼らは順番に俺の周りを歩き回り、見下ろす。俺の息遣いまで計算されたように聞こえる。
「動くな、じっとしてろ」
颯馬が低く命じる。俺はうなずきながらも、足先が冷えていくのを感じる。
「あっ……んっ……」
唇をかみ、かすかな声を抑える。だけど、抑えきれずに出てしまう。それがまた笑いを呼ぶ。
一人が指を絡めて、俺の体をじっと触れる。笑い声が部屋に広がり、俺の頭の中は真っ白になる。
「おい、もっと反応してみろよ」
颯馬の声。俺はただ首を振ることしかできない。
でも、体は裏切る。小さく「あっ……いや……」という声が漏れる。仲間たちはそれを面白がり、さらに距離を詰めてくる。
手元にある物を掴まれ、少しずつ身体の感覚が鋭くなる。息を整えようとしても、心臓が爆発しそうに高鳴るだけだ。
「ほら、見ろよ、こいつ……完全にガクガクじゃねえか」
仲間の一人が指を俺の髪に絡めて、頭を揺らす。
俺は必死に耐える。声を出すまいと、喉を締め、体を硬くする。でも、体の反応は止められない。
「……んっ、んっ……あ……」
小さな声がまた出る。
「出ちゃったか、可愛いじゃねえか」
颯馬が冷たく笑う。
視線が痛い。体が痛い。心まで抉られるような感覚が俺を覆う。
「動くなって言っただろ」
腕で体を押さえつけられ、もう逃げることもできない。
「あっ……いや……んっ……」
それでも小さな声は漏れる。声に合わせて笑いが重なる。
気づけば、部屋の空気は完全に俺だけのものじゃなくなっていた。存在そのものが遊び道具、標的に変わっている。
頬が熱く、呼吸は乱れ、手足は冷たい。けれど、声を上げるともっと笑われる——だから耐えるしかない。
「おい、こいつ本当に壊れてるな」
誰かが呟く。
「ほら、もっと反応してみろよ」
颯馬の声が響く。俺はただ、かすかに零す。
「あっ……ぁあ……」
その声が、部屋中に充満して、笑いとともに俺の全てを支配する。
体も心も、全部晒されて、俺はただ、耐える。
――終わらないように思えた時間が、少しずつゆっくり流れていく。