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※アホすぎるので設定を中学生に変更。
給食の時間。
デザートに出たのは、みんな大好きカスタードプリン。教室中が「やった!」と沸き立つ中、大地は嬉しそうにスプーンを手にした。
「おっ、今日プリンじゃん! 俺、これだけは死守する!」
そう宣言した瞬間――目にも留まらぬ速さで、スッと横から手が伸びた。
「いただき」
気づけば、大地のトレーからプリンが消えていた。
スプーン片手ににやりと笑うのは、もちろん隼人だ。
「俺の勝ちだな」
「え!? ちょ、俺のプリン!?」
「うん、いじめ。ざまぁ」
隼人はプリンをわざと大げさにすくって見せ、口へ運んでいく。
大地は机をバン!と叩き立ち上がった。
「こ、これは――!」
クラスがシンと静まり返る。
大地は拳を握り、顔を真っ赤にして叫んだ。
「……間接キスだぁぁぁぁっ!」
「はぁ!?」
「お前! 俺のプリンを食ったってことは、俺と唇を共有したってことだろ! つまりこれはキス! 公開プロポーズ!」
「誰がそんなことした!」
「じゃあ“愛のプリン交換式”だな!」
「交換じゃねーだろ、奪ったんだよ!」
笑い声があちこちから上がる。
大地は隼人の手からスプーンを奪い返し、残りのプリンを豪快に食べた。
「よし、これで俺たち両想い確定!」
「なってねー!」
昼休み。
大地はプリンの容器を大事そうに洗い、窓際で乾かしていた。
「……お前何してんの」
「決まってんだろ。これは隼人との“婚約プリンカップ”だからな!」
「捨てろ!」
「やだ。俺の宝物」
にこにこ笑いながらカップを撫でる大地に、隼人は思わず顔をそむけた。
心臓がどくん、と跳ねる。
――何なんだ、この感覚。
いじめて困らせるつもりが、なぜかこっちが振り回されている。
放課後。
机を片付けていた大地が、また紙切れを見つけた。
「バーカ」の横に、今日も小さな落書きがある。
「……ん? “プリン泥棒参上”って書いてある! やっぱり隼人だな!」
「証拠隠滅失敗か……」
「むしろ証拠残してくれてありがとう! これはつまり“今日のキス忘れるな”って意味だよな!」
「違ぇよ!」
「よし、ノートに貼って保存っと……!」
その様子を見て、隼人は耳まで真っ赤になり、思わず机を蹴った。
「お前ほんっとバカ!」
「だから大地って名前なんだよ!」
「意味わかんねー!」
帰り道。
夕焼けに染まる校門の前で、大地はにこにこと隼人を見上げた。
「なぁ隼人」
「……なんだよ」
「俺さ、今日の間接キス、すげー嬉しかった」
「……っ!」
「だから、次は本物でもいいぞ?」
冗談めかして笑う大地に、隼人は真っ赤になって叫ぶ。
「バ、バカ言ってんじゃねぇぇぇ!」
彼の声が校庭に響き渡り、またしても二人の“いじめとプロポーズ”の日常は幕を閉じた。