📩 相談
高校二年生・仮名:Tさん
大人に相談すると、話が軽くなります。
勇気を出して話したのに、
「それくらい大丈夫だよ」
「みんな同じ経験してる」
「考えすぎじゃない?」
って言われて終わります。
責められてるわけじゃないのに、
なぜか恥ずかしくなって、
「あ、じゃあもういいです」って引き下がってしまいます。
本当は、解決策がほしかったわけじゃなくて、
ちゃんと重たいまま受け取ってほしかっただけなのに。
相談するたびに、
“話さない方が楽だったかも”って思ってしまいます。
遥
「……あー、それな。
軽くされた瞬間、“あ、ここまでの話だったんだ”ってなる」
蓮司
「悪気がないのが、余計につらいんだよね。
大人側は“励ましたつもり”なんだろうけど」
日下部
「……Tさんの話、途中で“安心できる話”に変換されてる。
受け取る側が耐えきれなくて、軽くしてる感じだな」
遥
「“大丈夫”って言葉、便利すぎるんだよ。
言われた側は置いてかれるのに」
蓮司
「“みんな同じ”も同様。
比べた瞬間、その人のしんどさは消えるから」
日下部
「……相談って、本来は重さを一緒に持つ行為なんだ。
軽くすることじゃない」
遥
「Tさんさ、たぶん“分かってほしい”より先に、
“ちゃんと聞いてほしい”だったんだと思う」
蓮司
「うん。評価もアドバイスも要らなかった。
ただ、“それはつらいね”って言葉がほしかった」
日下部
「……大人はな、“深刻さ”に触れると、自分の無力さも突きつけられる。
だから無意識に、話を軽くしてしまう人も多い」
遥
「それって、Tさんの問題じゃないよな。
受け止める側の限界」
蓮司
「“相談して傷ついた経験”があると、次が怖くなる。
Tさんが黙るようになったの、自然だよ」
日下部
「……もし次に話すなら、
最初に“軽くしないでほしい”って前置きするのも一つだ。
それで逃げる大人なら、最初から器じゃない」
遥
「“話が軽くなる”って感じた感覚、信じていい。
それ、ちゃんと自分の心を守ってる」
蓮司
「相談相手は選んでいい。
年齢じゃなくて、“重さを一緒に持てるか”」
日下部
「……Tさんの話は、最初から軽くなんかなかった。
軽くされた記憶だけが、残ってしまっただけだ」
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