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坂上さん花純ちゃんの迷惑になるので二度と現れないでくださいね。 壮馬さん「獲物」って言いましたね‼️ 週末の会議の際、受付嬢、女豹麗子など危険人物は排除お願いします‼️
坂上先輩、左遷騒動があっても連絡してくるところを見ると、やはり花純ちゃんの事が好きなのでしょうね.... またしつこく連絡してこないかどうか、気になります😔 壮馬さん、やはり花純ちゃん(=獲物💓)を本気で狙っていますね....😁 これから 植物オタクの花純ちゃんを どう攻めていくのか 見ものです💖🤭
どこでも私服を肥やす悪い役付きがいるもんだ👎壮馬さんと優斗さん、しっかりと一掃しないとね‼️ で、狩猟壮馬は花純ンに狙いを定めてこれから攻める予定なんだ🤭‼️ でも壮馬さんの周りの秘書や受付女子やいろいろ妨害がありそう…😅くれぐれも花純ンが傷つかないよう守ってあげてね⚠️
その日仕事を終えた花純は、駅前のスーパーに寄った。
そして買い物をしてからアパートへの道のりを歩き始める。
本社時代の同期は皆小綺麗なマンションに住んでいたが、
花純は学生時代からの古いアパートにそのまま住んでいた。
築年数は古く昔ながらの質素なアパートだったが、家賃が安い割に駅から近く部屋は二階で日当たりがいい。
部屋に植物が溢れている花純にとって、日当たりだけは譲れない条件だ。
アパートへ着き部屋に入ると、
「ただいま」
花純はすぐに植物達に声をかけた。
部屋は1DKで、小さなベランダがある6畳の部屋と4.5畳のダイニングキッチンという縦長の間取りだ。
バッグを置くと、花純はすぐに窓辺にある植物達の様子を見に行く。
「今日もいい子にしてたぁ? あれ? ちょっと乾燥してるかな?」
花純はすぐに観葉植物に霧吹きをかける。
全ての植物のチェックを終えると、カーテンを閉めてから夕食の支度を始めた。
冷蔵庫の残り野菜と買って来た肉で炒め物を作ってから、
冷奴と味噌汁を添える。
休日には凝った料理にチャレンジをする事もあるが、平日は大体こんなメニューだ。
節約料理なのでついワンパターンになりがちだ。
席に着いてテレビを見ながら夕食を食べていると食べていると、スマホにメッセージが届いた。
メッセージは先輩の坂上健太からだった。
(なんだろう?)
花純はすぐにメッセ―ジを見る。
【明日の昼頃君の店の近くへ行くんだけど、ランチでもどう?】
その時花純の脳裏にあの事が過る。
社長令嬢の宮森泉が健太に思いを寄せていた為、自分は左遷されたという事だ。
(美香子が知っているんだから先輩もこの事を知っているはず。なのにどうして?)
花純は悲しい気持ちになる。
もしこの事が社長令嬢の耳に入ったら、今度は自分はどこへ飛ばされるのか?
そう思うと不安でしかない。
花純は少しでも早く安定した生活をしたいと望んでいた。
それは故郷にいる母や祖母の為でもある。
もしまた左遷されるような事になったら、今度は今以上に給料が下がってしまうだろう。
そして最悪の場合クビになる可能性もある。
本当なら、今度花純が取り組む庭園改良プロジェクトについてを健太に相談したかった。
しかしそれも出来ない。
花純はやるせない気持ちを抱えながら、こう健太へ返信した。
【明日の昼頃は配達に出ていると思うので不在なんです】
するとすぐに返事が来た。
【そっか、残念だな…じゃあまたの機会に誘うよ】
その一文を見て、花純は重いため息をつく。
【先輩、わざわざ来なくてももう私は大丈夫ですから】
【もしかして、社長令嬢の噂を聞いた?】
その返信を見て花純はドキッとする。
【はい、この前美香子から聞きました。だから先輩が私に関わるとまた私がどこかに飛ばされるかもしれないので、申し訳ない
のですがもう来ないでいただけると助かります】
花純はそう返信するとすぐにスマホの電源を切った。
そうしないと、もし健太が電話をかけてきたら困るからだ。
電源を切ったスマホはその後微動だにしなかった。
その後花純は重い気持ちのまま残りの夕食を静かに食べ始めた。
翌日壮馬は副社長室で専務の優斗と話していた。
「ハッ? 時給一万円? お前馬鹿か? まだ社会人三年目のペーペーの女の子に? 何考えてんだ?」
「もちろんそれは俺のポケットマネーから支払うつもりだ。会社には迷惑はかけない」
「ハァッ? だからっていくらなんでもそれはやり過ぎだろう?」
「仕方ないだろう? 商業ブランド施設部の黒田部長が役立たずだったんだから。黒田はあのガーデンデザイナーの事務所側か
ら接待漬けだったそうじゃないか! 忖度してあのデザイナーを起用したんだろう? 役立たずデザイナーへいくら払ったと思
ってるんだ。破格の契約料だったんだぞ! あれこそムダ金だったんじゃないか?」
「それは確かにそうだけれど。でもさぁ、世界を股にかけるガーデンデザイナーが植物の基礎知識を知らなかったなんて俺もび
っくりしたよ。ああいう派手なキャラって言うのは結局アレなんだな。マスコミや広告代理店がコネのあるやつを実力以上に持
ち上げてカリスマ性があるように見せかけていただけなんだな」
「そういう事だ。だから俺は昔ながらの造園業者や日本の風土に精通しているデザイナーに頼んだ方がいいんじゃないかって言
ったんだよ」
壮馬はやりきれない思いで唸るように言う。
「それはすまない。俺も黒田の意見に賛成してしまったからな…」
「まあ済んだ事はもういい。だからこそ彼女を起用したんだ。という事で毎週金、土の5時半からここで二時間会議を開く事
にする。有田課長にそう伝えておいてくれ。空中庭園改良に関わるメンバーをここへ集合させるように」
「わかった。それにしてもお前はいつも突飛な事を急に考えつくよなぁ」
「ハハッ、そうか? まあ俺はいつもこうと思ったら突き進むタイプだからな。それにやっと見つけた獲物は素早く捕獲しない
とだ…」
壮馬はそう言ってニヤリと笑う。
「獲物? 獲物ってなんだ?」
「まあいい…とにかく空中庭園の件は頼んだぞ」
壮馬はそう言うと、椅子から立ち上がり副社長室を後にした。