辺りに水が滴る
春の序盤は未だ肌寒い
夏になれば ‘ これ ’ もラクなのに
「 水拭いといてね ? w 」
此方を見下す様な言い方が一々癪に障る
汐 依 「 嫌だ 」
「 は ? 」
キッパリ断れば彼女達は鬼の様な形相で
此方を睨み付ける
汐 依 「 片付け迄やってね ? 」
そう言い放って何時も通り更衣室へ向かう
「 ぇ … 君 、 何かあった ? 」
声のする方も見ずに嘘をつらつらと並べる
汐 依 「 巫山戯てプール飛び込みました 」
「 ぁ 、 そう … 」
納得のいかない様な声に苛立って振り向く
如何にも ‘ 皆からモテるイケメン ’ という容姿
これまた面倒な事になった 。
汐 依 「 何か ? 」
「 ぃや 、 風邪引かないようにな 」
爽やかな笑顔に胸がチクリと痛む
嘘を吐いた事への罪悪感が私の心を支配する
汐 依 「 名前も聞くの忘れたし 」
ポツリと呟いた独り言は誰にも届かない儘 、
廊下へ溶けて行った
私服の高校で良かったと思う
制服は着替えるのも面倒だから
私服なら予備を持っていけば良い話
頭の良い高校に入れば
虐めなど馬鹿な事をする奴は居ないと思った
言う迄も無く 、 馬鹿は居た 。
頭は良い癖して 、 行動は馬鹿な奴等
全て癪に障る様な奴等を
心の底から嫌悪する 。
1番勉強に集中出来る半袖短パンという
何とも貧相な格好になる
それにサイズが合っていないと思われる様な
大きなパーカーを羽織る
コンビニに行く時ですら
もう少しマシな格好をするのに
「 ぁ 、 ねぇ 、 」
聞き覚えのある声に ‘ また逢えた ’ と思う
汐 依 「 さっきの … 」
軽く会釈をしてニコリと微笑む
「 君 、 本当に大丈夫 ? 」
少し驚いた
‘ 大丈夫 ’ と言われても尚 、
突っかかる人はほぼ居ないから
汐 依 「 どうでしょうね 笑 」
曖昧な返事に眉を下げて心配そうな顔をする
「 何かあったら声掛けて 」
そう言って名前を教えられる
‘ 羽多野 透 ’
私の1つ上の先輩だった
想えば貴方とは
不思議な出逢い方をしていたのね
コメント
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うへへへ、(( 虐めの夢小説とかありきたりなのしかないけど、りんちゃのはキャラがしっかりしてたり語彙力が天才的なのでらぶです 羽希ちゃんが個人的に推せる() りんちゃの物語は何文字でも短いとか思わないです(