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新作ありがとうございます🤗 司さんの気持ちがわからない、、、 政略結婚だと割り切っているのか、それとも実は以前から知っていたのか? これからがとっても気になります❣️
仕事が忙しく、新作今日初めて5話迄読みましたが、これからの展開が楽しみです! 引越ししてリフレッシュした後の作品は流石に素晴らしいです!
塩対応の司様…これはー政略結婚で不安でいっぱいの沙夜ちゃんには辛すぎる😢 その上初めての行為で突然の妊娠🤰 司様が喜びの感情を隠しているのか出てこないのか、これじゃあ先行きがとても不透明すぎる😫
見合いから一ヶ月半ほど過ぎた頃――
沙夜は、自分の体に起きた異変に気づいた。
仕事が休みだったこの日、沙夜は少し離れた薬局へ足を運び、妊娠検査薬を買ってくる。
帰宅してすぐに試してみると、結果は“陽性”。
その瞬間、沙夜の手が震えた。
(どうしよう……)
予想していたとはいえ、胸の奥がざわつき、彼女の脳裏には真っ先に司の顔が浮かぶ。
(たった一度しか会っていない人だけど……ちゃんと伝えないと)
激しい胸の鼓動を押さえながら、沙夜は勇気を振り絞って司に電話をかけた。
見合いの後、司とは婚約の日程調整で数度電話で話しただけだった。
三回の呼び出し音のあと、留守番電話に切り替わり、沙夜は落胆する。
(忙しいのね……でも、早く伝えないと)
留守電には「話がある」とだけ残し、電話を切った。
夜になり、ようやく司から折り返しの電話が入る。
「遅くなってすみません」
「いえ、こちらこそ……お忙しいところありがとうございます」
彼の子を宿しているのに、どこか他人行儀な会話だと沙夜は思った。
「で、話とは……どんなことですか?」
「できれば、直接お会いしてからお伝えしたいのですが……」
「分かりました。ただ、明日早朝から海外へ飛ぶので、帰国後でも構いませんか?」
「海外へは……どのくらいですか?」
「二週間です」
「そんなに……」
「何カ国か回る予定なので、すみません」
「いえ……」
「緊急の話?」
「……はい」
「じゃあ、今から行きますよ」
「え? 今からですか?」
「ええ。少し外に出られますか?」
「それは大丈夫ですけど……」
「ご両親へのご挨拶は帰国後すぐに伺う予定なので、今夜は外で少しだけですが」
「分かりました」
「では、二十分後に」
「はい。お忙しい中、ありがとうございます」
「いえ。では後ほど」
電話を切ると、沙夜は慌てて部屋着を脱ぎ、ジーンズに着替えた。
入浴後のすっぴんを急いで整え、ひとつに結んでいた髪をほどいてブラシを通す。
夜遅く家を抜け出し男性と会うのは初めてで、なぜか悪いことをしているような気になる。
ニ十分後、ミニバッグを手に、リビングの両親へ「ちょっとコンビニへ行ってきます」と声をかける。
そんな沙夜に、父親は「遅いから気をつけなさい」とだけ言った。
家の外に出て司の車を待つ。
彼の車は、黒に近いグラファイトグレーのドイツ車。
合理主義の彼らしい選択だ。
管野アリオ
416
#執着
猫とろ
146
瑠璃マリコ
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#狂愛
柏木さくら
949
しばらくすると、グレーの車が静かに停まり、窓が開いて司が声をかける。
「お待たせしました。どうぞ乗ってください」
「失礼します」
沙夜が助手席に座りシートベルトを締めると、車はすぐに走り出した。
「近くに深夜までやっているカフェがありますね。そこで、いいかな?」
「はい」
五分ほど走ると、シンボルツリーのヤシの木がライトアップされた、真っ白なカフェが見えてきた。
司はその店の駐車場に車を滑り込ませる。
車を降り、店に入った二人は、窓際に腰を下ろした。
「コーヒーでいい?」
「あ、いえ……ホットミルクで……」
妊娠しているせいだろうか。
大好きなコーヒーなのに、今はどうしても飲む気になれず、とっさにそう答えてしまった。
その様子に、司がわずかに眉を上げる。
やがて、コーヒーとホットミルクが運ばれてきた。
二人がそれを口に含んだあと、司が切り出した。
「で、話っていうのは?」
どことなく、司も緊張しているようだった。
婚約間近の女性から「直接会って話したい」と言われれば、何かただならぬ気配を感じるのも当然だ。
少し戸惑う司を見て、沙夜は意外に思いながらも、勇気を出して口を開いた。
「……妊娠したみたいなんです」
思いがけない告白に、司は一瞬だけ驚いたように目を見開いた。
だがすぐに表情を整え、落ち着いた声で言う。
「そうですか」
「はい……」
沙夜が不安げに司を見つめると、彼は携帯を取り出し、スケジュールを確認し始めた。
「では、結婚式を早めましょう。四ヶ月後のこの日。少し急ですが、どうですか?」
「え……?」
妊娠を告げれば、たとえ政略結婚でも少しは喜んでくれると思っていた。
その淡い期待が、静かに崩れていく。
「私の両親には、明日話します。君のご両親への挨拶も早めに手配しますので、そう伝えておいてください」
「は……はい」
「それと、すぐに銀行を退職してください」
「えっ? すぐにですか?」
「ええ。何かあってからでは遅いですから」
「何か……とは?」
「君の体に、ですよ。今後は、体のことを第一に考え、くれぐれも無理をしないように」
「……分かりました」
「産婦人科にもすぐに予約を入れます。あ……でも出張があったな……」
「だ、大丈夫です。病院なら一人で行けますから」
「申し訳ない。必要なら誰か手配しますが」
「本当に大丈夫ですから」
そのとき、司の携帯が鳴った。
「ちょっと失礼」
司は電話に出て、急に英語で会話を始めた。
(こんな時間まで仕事……?)
そう思いながら、沙夜は先ほどの司の反応を思い返す。
妊娠を告げても、彼はほとんど表情を変えなかった。
(初めて会った日に、一度だけ関係を持って妊娠したって言われても……どうってことないのかな。恋人同士でもないし……)
諦めに似た気持ちが、沙夜の胸を覆った。
そのとき、司が電話を切って沙夜に向き直る。
「すみません、今から社に戻らなければならなくなりました」
「それは大変ですね」
「家まで送ります」
「いえ、近いので歩いて帰れますから」
「いいえ、ダメです。もう君一人だけの体じゃないんですから」
会計を済ませ、二人は店を出た。
司は助手席のドアを開け沙夜を座らせると、すぐに運転席へ戻りエンジンをかける。
短いドライブの間、沙夜の心は複雑だった。
(これが私の結婚……)
街灯に照らされた夜の街が、沙夜の目にはなぜか少し滲んで見えた。