テラーノベル
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机に突っ伏す隼人を見て、大地は目を丸くした。
「え、隼人、顔赤いよ?熱でもあるんじゃない?」
「ち、違ぇよ!」
「そう?心配した~!人気者が倒れたらニュースになるじゃん」
大げさにおでこを手で押さえる仕草をして、クラスをクスクス笑わせる。
本人は本気で心配しているのに、天然のテンションが面白く見えてしまうのだ。
「おまえな……!」
隼人はむっとしているが、大地は全然気づかない。
「でもさ、隼人がちょっと困ってるのって、なんか新鮮でいいな!」
「なっ……!」
「いつもカッコいいから、こういうのギャップで惚れ直すっていうか!」
あっけらかんと笑い飛ばし、クラスをさらに和ませる。
隼人は耳まで赤くして黙り込んだ。
「よかった、元気そうで。じゃあ次は一緒に帰ろうぜ!オレ、まだ道わかんないし!」
「……はぁ?」
「転校生特典でナビ頼む!」
キラキラした笑顔で頼まれて、隼人は仕方なく肩をすくめる。
胸の奥が妙にくすぐったく、でもその理由は自分でもまだわからなかった。
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