テラーノベル
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教室の中、みんなの視線が俺を突き刺す。誰かが小声で言った。
「あいつ、ローター入れられてるらしいぜ」
笑い声がこっそり広がっていく。
先生の声は遠くて、聞こえない。
だけど、俺にははっきりわかる。
「見てみろよ、動くゴミだ」って。
机の下で、体が震える。
冷たい視線が背中に突き刺さる。
逃げたい。だけど、逃げられない。
声を出そうとしても、喉が詰まる。
呼吸が浅くなって、胸が苦しい。
誰も助けてくれない。
みんなが笑ってる。
俺が笑われてる。
この教室が、俺を壊しにかかっている。
俺はただ、じっと耐えるしかない。
目を閉じて、存在を消そうとする。
でも、それでも壊れていく自分がいる。
教室の後ろの方、俺は座らされている。
手首は見えないけど、固く縛られている気がした。身体が固まって、動こうとしても無理だ。
下腹部がじんじんして、熱くて、変な感覚が体にまとわりつく。
周りから聞こえる囁き声。
「ほら、反応してる」
「あいつ、何されてんだよ」
笑い声が耳の奥で響く。
俺は何も言わない。言えない。
頭が真っ白で、考えもまとまらない。
ただ、身体が震えて、呼吸が浅くなる。
痛みじゃない。何とも言えない嫌な感触。
でも逃げられない。どうすればいいか、わからない。
「見んなよ……」
小さく呟いた。
声が震えて、自分でも驚いた。
誰も助けてくれない。
むしろ、見て、笑って、楽しんでいる。
心は冷たく凍っていく。
逃げ場なんてない。
俺はただ、じっと耐えていた。
壊れそうで、壊れたくなくて、どうしようもなくて。
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