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**はる。です** 第36話、読み終えたわ…。 家の中の空気の重さがひしひしと伝わってきて、胸が締め付けられた。特に「体調はどうだとは聞かない」「興味があるのは都合が狂うかどうか」って一文、めちゃくちゃリアルで刺さった。遥の「動いていた方がいい」って思考回路、家庭環境で培われたものなんだろうな…。 最後の日下部からのメッセージ、「ちゃんと下がったら連絡しろ」ってただの一言なのに、遥にとっては受け止めきれない重みがあるんだよね。普段の遥ならスルーしそうなのに、返信を書いては止まる様子が切なくて。この温度差、すごく好き。 続き、遥がどう返すのか気になるし、日下部との関係がどう変わっていくのかも楽しみ!ruruhaさん、今日も良い作品をありがとうございます🔥
玄関の扉を閉める音が、家の中へ小さく響いた。
遥は靴を脱ぐ。
身体はまだ熱い。
だが、それを理由に休める家ではないことを知っていた。
廊下を歩く。
足音をできるだけ立てないように。
息を潜めるように。
それでも、奥の部屋から声がした。
「帰ったのか」
遥の肩が小さく強張る。
「……ただいま」
返事は短い。
その一言だけで十分だった。
家の空気は相変わらず重い。
誰も「体調はどうだ」とは聞かない。
学校から早く帰ってきた理由にも興味はない。
興味があるのは、それによって自分たちの都合が狂うかどうかだけだった。
遥は鞄を部屋へ置きに向かう。
制服を脱ぐことも、水を飲むことも後回しだった。
途中で立ち止まる。
視界が揺れた。
壁へ手をつく。
熱は朝より上がっている。
それでも休むという選択肢は浮かばない。
休めば、その理由を説明しなければならない。
説明は疑われる。
疑われれば、また面倒になる。
だったら動いていた方がいい。
その考えだけで身体を支えていた。
ポケットの中で、スマートフォンが小さく震える。
遥は反射的に息を止めた。
画面には、一件の通知。
送り主の名前を見た瞬間、指先が固まる。
日下部だった。
短い一文だけが表示されている。
「熱、ちゃんと下がったら連絡しろ」
遥は画面を見つめたまま動かない。
返信を書こうとして、手が止まる。
何を書けばいいのか分からない。
「平気」
その二文字が頭に浮かぶ。
けれど、それは嘘だ。
「ありがとう」
もっと書けない。
そんな言葉を返したことがない。
画面を閉じる。
通知は消えた。
だが、胸の奥に残った違和感だけは消えなかった。
誰かから帰宅後を気にかけられること。
それ自体が、遥にはまだ受け止めきれないものだった。