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無名の灯 答えを持たない相談室3

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無名の灯 答えを持たない相談室3

36 - 第36話 助けを求めるのが、いちばん怖い

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2025年11月29日

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大学一年生・仮名:Mさん


人に頼るのが、どうしても苦手です。

「大丈夫?」って聞かれると反射的に「平気」と答えてしまいます。


弱音を吐いたら、

迷惑がられるんじゃないか、

失望されるんじゃないか、

そもそも“その程度で”って思われるんじゃないか。


自分でも無理してるのはわかってるんです。

でも、助けてって言うくらいなら、

一人で潰れたほうがマシだと思ってしまいます。


どうしたら、人に頼れるようになりますか。




「……“潰れたほうがマシ”って思うとこまで行ってるの、

もう十分しんどいよな、それ」


蓮司

「助け求めるのが怖い人ってさ、

過去に“求めた結果、傷ついた”経験あること多い」


日下部

「……“頼らない”が習慣になってる感じだな。

選択じゃなくて反射みたいな」


「“迷惑かけたくない”って言葉、

Mさんの中じゃ防御なんだと思う」


「断られる前に、自分から閉じるやつ」


蓮司

「一人で潰れるのが“マシ”に感じるってことは、

誰かに見せる弱さのほうが

よっぽど怖いってことだ」


日下部

「でもさ、“平気”って言い続けてると、

周りは本気で平気だって信じるぞ」


「それで限界きたとき、

“なんで誰も気づいてくれなかった”ってなる」


「それも、Mさんが悪いわけじゃないんだけどな」


蓮司

「“助けを求める”ってさ、

『全部抱えてください』じゃなくていいんだ」


「“少し聞いてほしい”

“今日はしんどいって言わせてほしい”

そのレベルでも成立する」


日下部

「頼るって、信頼の出し方の一つなんだよ」


「迷惑じゃなくて、

“この人なら受け止めてくれるかも”って

相手を選んでる行為」


「“潰れたほうがマシ”って思うほど追い込まれてるなら、

それはもう“一人で頑張れる範囲”超えてる」


「頑張り屋ほど、自分の限界の線を

ずらし続けるから」


蓮司

「最初はな、

“助けて”じゃなくていい」


「“今ちょっと余裕ない”

“返事遅れる”

その一言でいい」


日下部

「……それで離れる人間は、

そもそもMさんを支えられる相手じゃない」


「残る人は残る」


「弱いときに声出したからって、

全部壊れる関係ばっかじゃない」


蓮司

「むしろな、

壊れるのは“無理してる自分”だけでいい」


日下部

「助けを求める練習って、

“声を小さく出す”ところから始めるもんだ」


「潰れる前でいい」


「潰れてからじゃ、

選べなくなるから」

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