テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
遥の肩や背中は熱湯の痕で赤く腫れ上がり、皮膚がぴりぴりと痛む。身体は小刻みに震え、涙が頬を伝う。声はほとんど出ず、嗚咽だけが漏れる。
沙耶香は淡々と指示を続ける。
「ほら、立って。今度は床に膝をついて、顔を下にして」
怜央菜は冷たく観察する。
「見ててつまらないでしょ。動かないなら、もっと痛い目にあわせるわよ」
颯馬はバケツを手に、嗤いながら言う。
「さあ、どれだけ耐えられるか見せてみろよ。もう声も出ないんだろ? なら表情で見せろ」
遥は必死に動く。膝を床につけ、身体を丸める。全身の震えは止まらない。嗚咽と息の荒さだけが、かろうじて存在を示す。
沙耶香が背中に手を置き、冷たく言い放つ。
「もっと見せて。弱さを、惨めさを、全部見せなさい」
怜央菜が冷たい声で付け加える。
「今さら隠したって無駄。誰も助けてくれないの。あんたの恥は全部私たちのもの」
颯馬はバケツの水を少しだけかけ、熱湯ほどではないが、冷たさと痛みで身体を跳ねさせる。
「さあ、震えて、泣いて、恥をさらせ」
遥は全身で震え、嗚咽を漏らす。喉は痛く、涙は止まらない。
心の奥底で、なぜ自分がここにいるのか、なぜ耐えなければならないのか、答えのない問いが渦巻く。
沙耶香がそっと近づき、耳元でささやく。
「これでもまだ弱いの? 恥ずかしくないの?」
怜央菜は冷たい目で見下ろす。
「あんたの惨めさを、もっと深く味わわせてくれる人は、ここにしかいないのよ」
颯馬はにやりと笑う。
「さあ、もう少し遊ぼうか。誰も逃がさない」
遥の震えは止まらず、涙と嗚咽だけが残る。声にならない声で、心は痛みに引き裂かれ、羞恥と恐怖が全身を覆う。