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高校一年生・仮名:Mさん
うちは三兄弟なんですが、なぜか私だけ“期待されている子”みたいになっています。
テストの点が良かった時、親は“さすが”と言うのに、弟たちには“まあいいでしょ”で終わり。
逆に私の成績が落ちると、“どうしたの?”“あなたがしっかりしないと”って責められます。
最初は嬉しかったけど……今は“期待に応えないと見捨てられる”みたいな怖さがあります。
家族なのに、家族の前だけ息が詰まります。
遥
「……わかる。“期待される自分”しか見てもらえてない感じ、しんどいよな。
褒められるの嬉しいけど、それって裏返すと“失敗できない”って呪いにもなるんだよ。
家の中でだけずっと背伸びしてるみたいで……疲れるよな」
蓮司
「“一人だけ期待されてる”って、聞こえは良いけどさ……
実際は“家族の役割を背負わされてる”に近いんだよ。
期待って本来は、“応えられたら嬉しい”くらいの軽さでいい。
でも、義務みたいに渡されると、もうそれはプレッシャーでしかない。
Mさんは、親の価値を守るための“代表”じゃないよ」
日下部
「……期待の怖いところは、“愛情に似てしまう”ところだ。
だから断れないし、壊せない。
親が言う“あなたならできる”って言葉も、
時には“失敗するあなたを見たくない”って意味に聞こえる。
その重さを背負い続けたら、息苦しくなるのは当たり前だよ」
遥
「てかさ、家族に対してまで“完璧”でいなきゃいけないの、違うだろ。
しんどい日があっていいし、落ちた点数で責められる筋合いもねぇよ。
人間なんだから波はあって当然だろ?」
蓮司
「“期待されてるから頑張らなきゃ”じゃなくて、
“疲れたら休んでいい”って家の方が、絶対まともだよ。
もし誰かに話せるなら、先生でも友達でもいいから、
一回“家ではこうなんだ”って吐き出してみな。
声に出すと、自分がいかに無理してたか分かるから」
日下部
「……Mさん、“期待されている子”じゃなくていい。
“ただの自分”で座っていられる場所を、家の外でも作っていいんだ。
家族の役割から自由になれる時間って、心の回復になるから」
🗝 三人からのことば
遥:「“期待に応えられない自分”も、家族だろ。それくらい許されていい」
蓮司:「期待は愛じゃない。重いと思ったら、距離を取っていい」
日下部:「“選ばれた子”じゃなくて、“ただのあなた”でいられる場所を大事にして」