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「ピ….ピ….ピ…ピ」
目が覚めるとそこは知らない天井だった。
周りを見渡すとどうやら病院のベッドの上みたいだ。
目からは涙が零れ落ちる。みんなを助け、守ることが出来なかった自分が嫌になってしまう。
窓の外を見ると、雨が降っていてまるで神様も一緒に泣いてくれているようなそんな気がした。
「あぁ…神よ…もしいるのなら…また退屈な…生活へ戻してください…」
その頃学校では…
「キーンコーンカーンコーン」
「みんな落ち着いて聞いてくれ。」
先生は3人が亡くなったことを話し出した。
皆はパニックに陥り、自分達も死んでしまうのではないか怖くなってくる。
「おれたちもしかしてみんな死ぬんじゃないのか!?」
「そ、そんな馬鹿なことあるはずが…」
竜一を含め、1週間ほど前から1人ずつ死んでいる。
もう6人も学校へ来なくなったのだから…
すると、羽賀りょうが急に席を立った。
「お前らが死のうが勝手だが、俺は死なねぇ。勝手に喚いてろカス共」
クラスの空気は最悪だった。
不良最後の1人、羽賀りょうは、中学の頃から悪さばっかりして、周りに迷惑をかけまくっているひどいやつだ。
羽賀りょうは勝手に教室からでていってしまった。
それを見て白井拓馬も席を立ち喋りだした。
「ゲームの世界じゃあるまいし、そのような怪奇かことが連続で起こるはずがない。」
普段学校では喋らない白井拓馬がとても大きい声で喋りだし、みんなは驚いている。よく見ると白井拓馬は目から涙がこぼれ落ちている。
とても仲のよかった近藤君が死んだことがショックなのかもしれない。
「そう…科学的にありえないのです!もしこれからもこのクラスのみんなが死んでいくのなら、私がこの原因を科学的に証明してみせよう」
白井は喋り疲れたのか席に座り出した。
あまりに科学的ではないということは皆分かっている。
だかしかし、いくら考えても非科学的なものなのでどうすることもできなかった。
すると1人の先生が急に教室へ入ってきて、担任の先生となにやら話をしている。
「わかりました…えーとみんなとりあえず今からこのクラスは休みになるそうだ。」
クラスの皆はほとんどが怯えていた。
もしかすると今日自分が死ぬのではないかと怖がっている。
「あともうひとつある。黒岩竜一が今日病院で目覚めたそうだ。もしかしたら、竜一は何か知っているかもしれない」
みんなは竜一も死んでしまったのかと思っていたみたいだ。
クラスメイトの何人かはこの後、竜一の病院へ行くことにした。
学校を出た白井拓馬と今泉花、そして
高橋れな、中野さき、村田友香の5人で竜一のお見舞いへ行くことになった。この3人は中学からの同級生で、いつも仲が良くずっと笑いあっている。
病院へ着き、竜一の部屋へ行くと竜一がベッドの上で横たわっていた。
「みんな!?きてくれたんだ」
竜一は頭から左目まで包帯でグルグル巻きになっていて、まるでミイラみたいだが以外にも元気良さそうに見えた。
今泉花が竜一の手を握りとても心配そうに駆け寄った。
「竜一大丈夫なの??」
他の4人も今泉花の後ろで竜一の姿を見て驚いている。
白井拓馬が竜一に問いかけた。
「あまり時間がない。竜一、今俺たちのクラスは毎日1人ずつ死んでる。このことについて何か知ってることはあるか?」
流石にこんなに人が死ねばクラスの皆も怖がるし、学校の先生も何か対応してくれるし、警察も動いてくれると思うが、まだなぜこんなことが起きてるのか誰にもわからないが、竜一はこの5人に今まで起きたこと全てを話した。
「夢の中の怪物が…人を喰らうって…」
白井はあまりに非科学的なことを説明する竜一を信じきれなかった。だが念の為、その怪物の特徴や、何か出待ちしてくる行動の意味、死んだ5人の姿に変わったことを考えると、怪物はとても高い知力を持っているのではないかと推測した。
そして居なかったはずの怪物が突然、目の前に現れたりするのは、恐らく怪物の何かの能力ではないかと考えた。
だがそこまでは竜一にもわからない。
こんな話をしていると、
「なにその馬鹿げた話、そんな訳あるはずないじゃない!」
と、3人の女グループが言っているが、恐らくホントに信じてしまうと怪物の恐怖に自分が弱く見えてしまうからだ。
高橋れなは強がっているが、前からビビりなのは知っていたし、中野さきもクールなのを装っているけど、驚ろかしたりするとすぐに泣いてしまう。
村田友香は、まったく信じてなさそうに見える。
信じていたとしてもそんなに驚きはしないだろう。
彼女はとても心は強い人間なのだから。
「俺は明日退院するが、このことはクラスの皆に携帯で伝えて欲しい!」
竜一は5人に、クラスの皆に今起きているこの状況を伝えて欲しいと頼む。
白井等な信じてはいないが、この世の中絶対何が起きるかはわからないので皆に伝えることにした。
「ありがとう!」
少し暗くなってきたので5人はそれぞれ自分の家に帰ることにした。
「またね!竜一!何かあったらすぐに連絡して!」
今泉花は真面目なのかよくわからないが、
少し竜一には積極的だなと、白井は思った。
「もしかして今泉さんは…」
そんなくだらないことを一瞬考えたが、とりあえず今、頭の中を白井は整理してみる。
「!?!」
白井は閃いた。もし竜一の話が本当ならば…
あれが使えるのではないかと…
皆はそれぞれ家に帰り、竜一も今度こそ皆を守ってみせると心に決め、就寝することにした。