テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
放課後の校舎裏、冷たい風が肌を撫でる。身体を壁に押し付けられたまま、震える唇から漏れた喘ぎは、周囲の嘲笑をさらに加速させる。
「おい、聞こえたぞ。そんな声出しやがって」
「気持ち悪いくせに、まだ壊れてねえんだな」
腕を強く掴まれ、無理やり身体をひねられる。小さく「んっ……」と、息が震えた。
足元では誰かが、無造作に転がした空き缶を踏みつける音が響く。
「お前のそんな情けない声、みんなに聞かせてやろうぜ」
スマホのカメラが一斉に向けられ、光が瞬く。
視線は逃げられず、体の震えも止まらない。
「もう何もかも終わってるんだ」と、心の奥で呟く声が消えない。
「あ……や、やめ……」
しかし、それすらも嘲笑の種に変わる。
彼らの視線の中で、俺は完全に“壊れた存在”として晒されていた。
逃げ場も、救いもない。
腕をさらに強く掴まれ、壁に押しつけられる。
「声、まだ出すんだな」
その声が背筋を凍らせる。
ひとりがズボンのポケットから無言で何か取り出し、手渡す。
無理やり手に握らされたそれを見て、身体が震えた。
「さあ、これ使ってみろよ」
嘲笑が耳元でざわつく。
逃げたい気持ちがぐちゃぐちゃに絡まり、目に涙が溜まる。
でも、出るのは小さく「んっ…」と、声にならない震えだけ。
「そんな情けねえ声、もっと聞かせてくれよ」
誰かがニヤリと笑いながら言った。
周りの目は冷たく、俺の弱さを餌にしている。
逃げ場はもう、どこにもない。
「おい、お前の泣き声、もっと聞かせてくれよ」
無言のまま押し付けられる硬い冷たさ。
身体の奥がざわつき、逃げ場のない異物感に耐えるしかない。
周囲の視線が痛いほど突き刺さり、
「泣け、叫べ、みんなに見せてやれ」
という嘲笑が耳に響く。
「ん……あっ……」
小さく漏れる声が、また嘲笑を誘う。
冷たい硬さが身体に押し付けられるたび、逃げ場のない違和感が全身を満たしていく。
「ん……っ……」声にならない声が漏れ、恥ずかしさと恐怖が渦巻く。
周囲の視線がいっそう冷たくなるのが分かる。
「ほら、もっと声出せよ。お前のエロいとこ、みんなに晒してやるよ」
その声に、身体の震えが止まらない。
涙がこぼれそうになるが、必死に堪えようとする。
心の奥底で叫ぶ。
「助けて……誰か、助けてくれ……」
でも、現実は静かに、残酷に押し寄せてくるだけだった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!