エルフエナジー 赤黒い眼の王国
大戦からわずか10年でエルフエナジーという神秘の力と、王立科学アカデミー研究所が開発したバリア技術により、イーサム王国は
軌跡的な再生の象徴となった。
その新たな時代の中心に立つのが、国民から英雄として称えられる若き首相。リヴァン・カイザである。
しかし、栄光の裏で静かな異変が始まっていた。政府高官たちが次々と姿を消してゆく。週刊誌レガリアが相次ぐ失踪事件がリヴァンとラマズドが関係しているのではないかと報じた。
科学技術長官がジン博士からラマズド博士に交代した頃から、首相補佐官のマラーの言動も不自然な点が目立っていた。そして、常に冷静で理想を追い求め理性的であった、リヴァンも変わり始めていた。
女性秘書官スメラはその記事の真偽を確かめるため、リヴァンを問い詰めるが相手にされなかった。
脳裏に浮かんだのはエルフエナジー鉱石だった。ある日、リヴァンは王立科学アカデミー研究所内で”エルフエナジー”鉱石に触れたその瞬間、彼の瞳は赤黒く染まり呟いた。
「この石と、意思疎通ができる」
その頃からリヴァンの様子がおかしくなったと睨んだ彼女は、独自の調査を開始する中で、スメラが知らない、リヴァンの最も深い秘密に触れたのだった。