バチンッ
どうしてそんなこともできないんだッ
リリィ
うっ…ぐすッ
リリィ
ごめんなさい…ッ
この家から出ていきなさいッ!
リリィ
グスグスッ
ロン
ロン
大丈夫かい?
顔をあげるとそこには男の子が立っていた
リリィ
…
ロン
そんな怖い顔しないで
ロン
僕も君と同じような者さ
リリィ
同…じ?
ロン
あぁ
ロン
僕についておいで
ロンがリリィに手を伸ばす
空には綺麗な星がキラキラと輝いていた
ロン
綺麗だろう?
リリィ
えぇ…綺麗ね
リリィ
ねぇ、あなたの名前は?
ロン
僕かい?
ロン
名乗るほどもないよ… はは
リリィ
そう…私もよ
リリィ
魔法使いなのに魔法を使えないの
ロン
そうなんだ…
リリィ
貴方も使えるんでしょう?
ロン
僕は…。
リリィ
使えないのは私ぐらいだものね
リリィ
家族からも色々言われてて
ロン
なぁ
ロン
僕たちは当たり前のようにこの星空の下で生活をしているけど、ちゃんと見つめてみると違うだろう?
リリィ
うん
リリィ
私、まともに星空を眺めたことは無かった…
リリィ
ずっと、…ずっと家の中で魔法の練習をしてたから
ロン
そっか
ロン
君は頑張ってるんだね
ロン
でも頑張りすぎちゃいけないんだよ
ロン
魔法を使えるのは〝当たり前〟じゃないから
リリィ
いいえ
リリィ
魔法を使えるのは当たり前のことでしょう ?
リリィ
リリィ
でも、…なんか私
リリィ
この星を見ていると力がでてくる感じがするの
リリィ
今なら魔法も使えそうな気がする
ロン
ほんとうかい?
リリィ
ええ
リリィ
チャレンジしてみる
ロン
本当に大丈夫かい?
リリィ
うん
リリィ
見てて
リリィはポケットから杖を取り出し、魔法を唱えはじめる
リリィ
ヨン トマラーズ
リリィは思いっきり杖を回す
ボッ
杖の先端から炎が弾きでる
リリィ
で、できた…!
リリィ
今まで何回も何十回もやってもできなかったのに、
リリィ
初めて…初めて魔法を使えたよ!
リリィ
きっとあなたのおかげよ…!
ロン
グサッ
リリィ
ガハッ
ロン
…
ロン
残念だったな
ロン
このまま君も魔法を〝使えなかったら〟こんなことにはなんなかったんだけどな
ロン
さっきも言っただろう?
ロン
星空が広がるのは当たり前じゃない
ロン
魔法を使えるのも当たり前じゃないさ
ロン
君は知らなかったんだろうけど、魔法使いは僕たち〝人間〟の敵だ
ロン
君がこのまま使えなかったら僕たちと同じだったんだけどな
ロン
さて、次は君の家族を殺しにいくか







