TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

蓮司

なあ

少し間を置いて。

蓮司

……遥さ

……

蓮司

お前さ、
自分のこと――気持ち悪いって、思ってる?

遥はすぐに答えない。

日下部

急だな

蓮司

急じゃねえよ
ずっと顔に出てる

遥は視線を落とす。

……思ってる……というか……

言葉が途切れる。

……そういうものだって…… 刷り込まれてる……

日下部

誰に

……みんな……

蓮司

“みんな”便利だな

……兄弟も…… クラスも…… 先生も……

日下部

直接?

……直接……も…… 笑いながら……も……

蓮司

どんな言い方

遥は小さく息を吸う。

……近づくな、とか…… 見ると不快、とか…… 存在が……

声が細くなる。

……間違い、みたいだって……

日下部

……

蓮司

それ言われ続けたらな

……だから…… 俺がそう思うのは…… 普通だと……

蓮司

普通じゃねえよ

……でも…… 否定する材料が…… ない……

日下部

理由を探すな
それ、洗脳に近い

……分かってる…… 頭では……

沈黙。

遥が続ける。

……気持ち悪いって…… 言われすぎると…… 最初は……傷つくけど……

蓮司

うん

……そのうち…… “確認”になる……

日下部

確認?

……今日も…… 俺は……ズレてるか…… 今日も……嫌われるか……

蓮司

それで?

……嫌われると…… 安心する……

日下部

最悪だな

……期待を…… 裏切らなくて…… 済むから……

蓮司

じゃあ聞くぞ

遥が顔を上げる。

蓮司

今ここで言われたらどうだ。
“気持ち悪い”って

遥は一瞬、考えてから。

……多分…… 何も……感じない……

日下部

……

蓮司

それが一番、
深く傷ついてる状態だ

……そうかも……

小さく、でもはっきり。

……でも…… 俺が気持ち悪いって…… 思うことで…… 向こうが……正しくなるなら……

日下部

自分を差し出すな

……慣れてる……

蓮司

慣れた結果がそれだろ

……それでも…… 俺が…… 俺を…… 気持ち悪いって…… 言い続けてれば……

声が震える。

……誰かに…… 言われる前に…… 済む……

沈黙。

蓮司が低く言う。

蓮司

それ、防御じゃなくて
自傷だ

……分かってる……

日下部

じゃあ一個だけ覚えとけ

……?

日下部

“気持ち悪い”って言葉は、
説明できない側が使う言葉だ

蓮司

お前の問題じゃない

……それでも…… 俺の中に…… 残ってる……

蓮司

消えなくていい

……え……

蓮司

“残ってる”って言えるうちは、
まだ飲み込まれてない

遥は、何も言わなかった。

ただ、少しだけ肩の力が抜けた。

無名の灯 余白、三人分。2

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

0

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚