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ましゅまろくん
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部屋の鍵が、かちゃりと閉まる音がした。 それだけで、悠翔の背中に、汗が流れた。冷たい汗だった。
机には既にカメラが三脚ごと据えられている。録画ボタンが押され、赤いランプが無言の命令を灯していた。
「さ、始めよう。時間ないんでしょ? おまえのレポートの提出期限、今日だよな」
陽翔が笑った。その手には、ハンマーと、薄い革ベルト。玩具ではない。実際に痕を残すための道具だ。
蒼翔が悠翔の腕をつかむ。乱暴に床へ押し倒すと、肘を強引にねじった。
「反射的に逃げるなって、言ってんのに。そういうの、ほんと“撮れ高”下がるんだよ」
「や……やめて、ほんとに……腕、痛い……!」
「じゃあ、素直に見せろよ。その“我慢してる顔”。俺らが欲しいの、それだけだから」
蓮翔が脇から、服の襟元を引き裂く。
シャツが破ける音。素肌が露出するわけではないが、それ以上に深い羞恥が肌を貫いた。
「痣、きれいについてんじゃん。昨日のやつ、バレてない?」
「……教授、何も言わなかった。……見て見ぬふり」
「だよな〜。おまえのことなんて、誰も守んねぇんだよ。俺たちが“おまえの現実”だって、理解した?」
陽翔が手にしていた革ベルトを巻きつける。
その端で、悠翔の太ももを打った。
「ッ——!」
悲鳴は漏れなかった。喉が閉じた。
「そう。今の顔。涙も出てないけど、声が詰まった。そういうのがいいんだよ」
蒼翔が笑い、録画画面を覗き込んで頷いた。
「オーケー、いいカット。今夜のサムネ、決まり」
「じゃ、次。椅子、使おうか」
陽翔が指さす。教室から盗ってきた古い木製の椅子だった。
悠翔の両手を後ろに縛り、椅子に無理やり座らせる。
そのまま、膝の上に教科書とペットボトルを積み上げる。
「動いたら落ちるよ? 落としたら、罰ゲーム」
「……何を……するの……?」
蓮翔がポケットから取り出したのは、大学のロゴが入った“公式封筒”だった。
「これ、偽造だけどさ、“停学通知”って印刷したら、教授の机に置いとくだけで十分でしょ?」
「……やめて……ほんとに……」
涙ではなく、嗚咽が口から漏れた。何が“現実”か、曖昧になる。
撮られているという事実だけが、輪郭を持って胸を突き刺してくる。
自分が“素材”なのだと理解させられること。それ自体が、最も暴力的だった。
コメント
1件
みぅだよ🤍🥀 第64話、読了した……。 もう、最初から息が詰まるような描写だった。鍵が閉まる音ひとつで怖いって思わせるの、すごいなって思った。カメラの前で無理やり何かを見せられるって、耐えられないよね。道具や口調が“撮れ高”なんて言ってるところが、いちばん胸に刺さった。現実より、映像としての価値を優先する感じ、怖すぎた。 悠翔の悲鳴が出ないとか、喉が詰まるとか、そういう“我慢の限界”の描写がリアルで、読んでてこっちまで痛かった。サムネ決まったって言われた瞬間、ほんと嫌な気持ちになった…… でも、ruruhaさんは絶対、この暴力をちゃんと描く意味をわかって書いてるから、読者として受け止めたいって思ったよ。 次の展開が気になるけど、少し心の準備が必要かも。おつかれさま、ruruhaさん🧸