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光の入る朝。だが、直樹の意識は夜の余韻に縛られたままだ。
桐生はソファに座り、鋭い瞳で直樹を見下ろす。無言の支配。
「……起きろ」
低く命令され、直樹は床に手をつき、震えながら立ち上がる。
部屋に漂う匂い――桐生の肌の香り、夜の熱と汗、わずかに混ざった吐息。
思わず胸がざわつく。理性では拒みたいのに、体が素直に反応する。
「……俺から、離れるな」
耳元で囁かれ、首筋に唇が触れる。熱く、痛く、抗えない刺激。
桐生の指先がシャツの中に滑り込む。荒く強引に、体の奥まで触れられ、直樹は声を漏らす。
「……っ、あ……や、やめ……」
「やめられるかよ。お前の声も体も、全部俺のもんだ」
指先は腰や胸、腹に這い回り、敏感な場所を執拗に責め立てる。
抵抗するほど力が抜け、体は震え、声が甘くなる。
「……く、っ……桐生……っ」
「名前呼ぶな、俺のものだって意識しろ」
唇が耳たぶや首筋に落ち、舌でなぞられるたび、直樹の体は熱く、背中が反る。
桐生は無言で身体を押さえつけ、自由を奪う。
手は胸を包み、下腹部を這い、制服越しでも敏感な体を掌握する。
直樹は甘く、しかし悲しげに震え、涙と汗が頬を伝う。
「……っ、いや……もう……っ、く……」
「いやじゃねえ。感じてるだろ?」
強引な言葉と行動に、直樹は思わず声を漏らす。
さらに桐生は腰を押し付け、体を絡める。痛みと快楽の境界が混ざり、直樹の意識は宙に浮くように熱く揺れる。
「……っ、ん……あっ……」
息も荒く、体も声も、すべて桐生の掌の上。
「……もっと感じろ。お前のすべてを俺に預けろ」
言葉に従い、直樹は体を任せるしかなかった。
夜は長く、終わらず、徹底的に支配される感覚。
体を弄ばれ、声が枯れるほど責められても、桐生は止めない。
「……これでも、逃げる気か?」
「……い、いや……っ、桐生……」
小さく答えるしかない。抗う余地はない。
夜明けが差し込み、体は火照り、心も体も疲弊している。
それでも桐生の手は止まらず、耳元で囁き、唇を重ね、指先で体の反応を確認する。
「……俺だけを見ろ、絶対に離れるな」
直樹は震えながら頷く。涙、汗、甘い声、すべてを晒しても、桐生の目は満足げに輝く。
「……俺のものだ。誰にも渡さねぇ」
その言葉に、直樹はわずかに微笑む。甘くはない夜、恐怖と快楽に塗れた支配。
けれど、心の奥で確かに感じるのは、桐生に縛られ、完全に従属してもなお消えない、奇妙な安心感。
壊れた夜の果てに、二人の関係は深く濃密に絡み合ったまま、揺るぎなく固定されていた。
逃げ場のない檻の中で、ヤンデレとヤンキーの極限の関係は、まだ始まったばかりだった。