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ruruha
コメント
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第97話、めちゃくちゃ刺さった……。「許さなくていい」って遥が言い切ったの、すごくよかった。ずっと「許さなきゃ」って自分に言い聞かせてる人、めっちゃ多いと思うけど、「主役席から降ろせ」って表現が本当にしっくりきた。許すか許さないかの二択じゃなくて、「覚えておくだけ」っていう三択目があるって気づかされた。短い会話の中にぎゅっと詰まった答え、めっちゃ好きです🔥
放課後。
教室には誰もいない。
机と椅子だけが並んでいて、声を出すと少し響く。
生徒は窓の外を見ながら言った。
「許した方が楽になるって言うじゃないですか」
遥は黙っている。
「でも」
少し間。
「全然そうならないんです」
教室が静まる。
「何が」
短く。
生徒は視線を外さない。
「許したくないんです」
一拍。
「嫌なことしてきた人を」
沈黙。
「もう終わったことだし、気にしてるの自分だけかもしれないし」
一拍。
「それでも」
声が少し硬くなる。
「許したくない」
遥はすぐには返さない。
しばらく窓の外を見ていた。
「別に許さなくていいだろ」
短く。
生徒は振り向く。
「……え」
遥は机に指を置く。
「誰が決めた」
短く。
「許さなきゃいけないって」
教室が静まる。
生徒は言葉に詰まる。
「でも」
一拍。
「ずっと怒ってるのも良くないって」
遥は言う。
「それと許すは別だ」
短く。
沈黙。
「……別?」
遥は続ける。
「許してない。
怒ってる」
一拍。
「それ自体は別に問題じゃない」
教室が静かになる。
「問題なのは」
少し間。
「その相手がお前の頭の中に住み続けることだ」
沈黙。
生徒は黙る。
遥は続ける。
「許せない相手のことを考えて
腹立てて
思い出して」
一拍。
「何年も時間使う」
短く。
「そっちの方が面倒だ」
教室の空気が少し重くなる。
「……あります」
小さく。
「もう関わってないのにたまに思い出して」
一拍。
「まだ腹立つ」
遥は否定しない。
「だろうな」
短く。
「傷って」
一拍。
「謝られたから消えるもんじゃない」
教室が静まる。
生徒は視線を落とす。
「……じゃあ」
小さく。
「どうすればいいんですか」
遥は少し考える。
「許さなくていい」
短く。
「でも」
一拍。
「人生の主役席から降ろせ」
沈黙。
生徒は顔を上げる。
「……主役席」
遥は言う。
「そいつのせいで
今の気分が決まる。
今の行動が決まる」
一拍。
「そこまで影響力持たせるな」
教室が静かになる。
生徒は何も言わない。
遥は続ける。
「許せないなら許せないでいい」
短く。
「でも」
一拍。
「そいつ中心で生きるな」
沈黙。
教室の外で誰かの笑い声が聞こえる。
生徒はゆっくり息を吐いた。
「……なんか」
少し考える。
「私」
一拍。
「許せないことが問題だと思ってました」
遥は言う。
「違う」
短く。
「縛られ続ける方が問題だ」
教室が静まる。
生徒は苦笑した。
「許すか許さないか」
一拍。
「その二択だと思ってた」
遥は机を軽く叩く。
「三択目がある」
短く。
「覚えておくだけ」
沈黙。
生徒は止まる。
遥は続ける。
「許さない。
忘れない」
一拍。
「でも、そいつ中心では生きない」
教室の空気が少し変わる。
生徒はゆっくり頷く。
「……それなら」
小さく笑う。
「できるかもしれない」
遥は何も言わない。
窓の外はもう暗くなり始めていた。
許すことが正解とは限らない。
中には、最後まで許せないこともある。
ただ。
許せないままでも、その出来事に人生のハンドルを握らせないことはできる。