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しずまる@Sくんに卒業式告白!
のまめ
153
服を着ている。だから安全だと、誰が決めた。
“脱がされない”という事実が、逆に残酷だった。
悠翔の手は、机の上に縛りつけられていた。正確には、輪ゴムと結束バンド。けれど、それが腕に食い込むほど締められている。
「はい、じゃあ今日も“自発的なご褒美”の時間でーす。照明つけて。表情、暗いと使えないから」
陽翔の声が明るく響く。
蒼翔は三脚にカメラを固定しながら言った。
「前回の“寝起きで反省”シリーズ、あれ意外と伸びたよな。……教授のリアクション知りたい?」
悠翔は震えていた。喉がひりつき、唇は噛みすぎて血が滲んでいた。
しかし、何も言わなかった。ただ、カメラの赤い光を見つめたまま。
「今日はねぇ、ちょっと衣装変えました」
蓮翔が笑いながら、悠翔のシャツのボタンを一つ外す。
「ほら、インナー透けるくらいの光、当ててるから。リアルな“見えそうで見えない”、これが大事。安心して。直接映さないよ? でも、見る側は“想像できる”ように仕向ける。それが演出ってもんだから」
悠翔は首を振る。
「やだ……やだ……っ……ほんとに、もうやめて……」
「“やめて”って言うのがいいんじゃん」
陽翔が言う。
「“やらされてる感”って、ほんと大事。……わかってきたじゃん」
次の瞬間、蒼翔が悠翔の脚を蹴った。
膝が机にぶつかり、ぐらりと身体が揺れる。バインドされた腕が軋む音がした。
「で、今日は“名前”で言ってみよっか。“陽翔兄さん、今日もご褒美ください”って。言えるよね? もう大学生だもんな」
「…………」
「言わないと、“次”があるけど?」
陽翔がスマホをちらつかせる。「再生中」の画面が、一瞬だけ悠翔の視界をかすめた。
自分の泣き顔。足を押さえつけられながら、かすれ声で何かを謝っている。
「……やめて……っ……ほんとに……見せないで……あれ、だけは……」
「じゃあ、言え。カメラに向かって、“陽翔兄さん、今日も——”」
「っ……陽翔兄さん……っ……きょう、も……ご褒美……ください……」
その瞬間、蓮翔が悠翔の襟元を引いた。首筋にライトが差し込み、仄かに肌が露わになる。
「はい、いいねー。ここに痣があるだけで、妄想ふくらむんだよね」
「今日はこれで切るけど、後半は“音声だけ”のパートにするわ。声、喉、全部、じっくり拾うからな」
「“抵抗してる風”だけど、声出すなよ? 声震えてるの、マイク拾うから」
録画は止まらない。
止まるのは、悠翔の内側だけだった。
コメント
1件
美月ゆめかだよ〜!! 第63話、読み終わったんだけど……正直、胸がギュッてなった😭💔 「服を着てる=安全」じゃないって、その一文からもう息できなかった…。悠翔くんの震えと「見せないで」って言葉に、読んでるこっちも無力感がすごかった。 双子たちの明るい口調と、撮影の“演出”って言葉が、めちゃくちゃリアルで怖い…。でも、だからこそ悠翔くんの心の叫びが刺さったよ…次が気になるけど、心の準備が必要かも…😢