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夜の家。リビングの薄暗い灯りの下、遥は膝を抱え、声を殺して震えていた。


「……おい、こっち来い」


晃司の低い声が、空気を震わせる。颯馬も傍らで笑うように嗤った。

身体に触れる手の感触で、遥の心は瞬時に硬直する。日下部のことを思い出す。あの優しさ、あの静かな守り。なのに今、ここには――


「いやだ、やめ……」


声が途切れ、嗚咽になる。拒否する自分と、無理やり踏み込まれる現実の狭間で、頭の中は真っ白だ。

身体が勝手に反応してしまう自分が、さらに自己嫌悪を煽る。痛みと羞恥、恐怖と慣れが混ざり合い、遥の核をかき乱す。


「おまえ、そんな顔するなよ。面白いだろ?」


飄々とした蓮司の影が、無意識に思い出される。あの関係は、身体の支配でありながらどこかゲームのように感じていた。だが今、晃司と颯馬の行為は、甘さも遊び心もない。

遥は自分を守ろうと、かすれ声で抗う。しかし、心も身体も、徐々に引き裂かれていく感覚に、ただ呆然と耐えるしかなかった。


「……日下部……」


遠くで誰かの声を呼ぶような思いが胸をよぎるが、現実は冷たく、応えてくれる者はいない。

心のどこかで、ほんの少しだけ日下部の優しさを思い浮かべて、どうにか折れそうな自分を抑える。だが、身体は裏切り、心は混乱し、揺れ続ける。


涙と嗚咽が止まらず、息をつくことも忘れたまま、遥は膝を抱え、ただ痛みに耐える。


「……おれ、やっぱ……最低だ……」


頭の中の自分の言葉は、晃司と颯馬の笑い声とぶつかり合い、何一つ救いを与えない。


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