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うわー、第20話、一気に引き込まれましたね。高西選手の“賭ける”覚悟がすごく伝わってきて、胸が熱くなりました。そしてまさか同級生・坂口志絵さんとの再会シーンで終わるとは…! あのキャットアイが大きく見開かれる描写、一瞬で情景が浮かびました。伏線の張り方が巧みで、次が気になって仕方ないです。
「ヨグルトスパローズには、高西選手が高校三年生の時、夏の甲子園予選決勝戦で投げ合った深津 司投手が在籍しています。今回の移籍で、高西投手は深津投手とチームメイトになるわけですが、その件について、どう思われますか?」
深津は、賢と同期でスパローズからドラフト一位に指名された、生え抜きのエースピッチャーである。
ルーキーイヤーから一軍で活躍し、現在は深津を主軸にして、先発ローテーションが組まれているほど、勝ち星をあげている『勝ち頭』。
賢は深津に対し特に意識はしていなかったが、セ・リーグとパ・リーグの交流戦でハードバンクとヨグルトの試合では、二人が先発の時、メディアが賢と深津を『因縁のライバル』と囃し立てる。
入団からずっと第一線で活躍してきた深津に対し、賢は数年ほど前から一軍と二軍を行ったり来たりするようになってから、焦りと苛立ちを燻らせていた。
高卒のドラフト同期が、賢を尻目に一軍に定着して活躍し、昨年の十一月、ハードバンクファルコンズから戦力外通告を受けた彼を拾ってくれたのが、ヨグルトスパローズである。
(俺は…………ヨグルトスパローズにプロ野球人生を賭ける。絶対に……復活するんだっ)
彼はシャープな顔立ちをキュッと引き締めながら逡巡し、言葉を選ぶ。
「…………深津投手とチームメイトになったからには、互いにスパローズの日本一を目指して頑張り、チームに貢献するだけです」
力強く答えた賢は、小気味良いシャッター音と無数のフラッシュに包み込まれた。
入団会見を終えた賢は、球団事務所の近くにあるカフェで慌しく昼食を摂った後、球団が用意してくれたハイヤーにマネージャーと一緒に乗り込み、銀座へ向かう。
「海野楽器のイベント出演は、せいぜい一時間くらいだと思う。その後、すぐに羽田に向かい、沖縄でチームと合流だ。イベントが終わったら、すぐに連絡してくれ」
「了解です」
渋滞に巻き込まれながらも、十二時二十五分に銀座の海野楽器へ到着すると、賢は車を降り、店舗へ入っていく。
エレベーターに乗り込み、小ホールのある四階を目指す。
ホールに入っていくと、ステージ上ではスパローズのハッピに身を包んだ女性と、海野楽器の社員と思しき女性が打ち合わせをしている。
やがて、リハーサルなのか、ハッピを着た女性がグランドピアノの椅子に座ると、スパローズの選手の応援歌を奏で始めた。
(すげぇな。よくあんなにサラサラとピアノが弾けるよな……。しかも楽譜なしで弾いてんだろ……?)
賢は感心しつつ、ホールの端の通路から舞台上に向かい、女性社員の背中に声を掛けた。
「こんにちは。今日、このイベントにゲスト出演する、ヨグルトスパローズの高西です。よろしくお願いします」
すると女性社員が、なぜか身体をビクッと震わせ、ゆっくりと振り返ると、女性のキャットアイが大きく見開かれた。
しかし、彼女は気を取り直すように、ぎこちなく笑みを作る。
「たっ……高西投手。お忙しい中お越し頂き……ありがとうございます。本日は、よろしくお願いします……」
「…………っ」
思わず息を飲み込んだ彼は、ネイビーのパンツスーツに白いシャツを合わせた女性に心を揺さぶられ、鼓動が忙しなく高鳴る。
目の前で困惑した面持ちを浮かべていたのは、ずっと想いを抱え続けてきた高校の同級生、坂口志絵だったのだから。
管野アリオ
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#大人ロマンス
桃下結衣
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#ロマンスファンタジー
Jasmine
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