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高校二年生・仮名:Mさん
人から嫌われることも怖いですが、それよりも、「そんな人だと思わなかった」とがっかりされる方が怖いです。
期待されると嬉しい反面、ずっとその期待に応え続けなければいけない気がします。
だから無理をしてしまいます。
本当は疲れていても、断れなかったり、明るく振る舞ったりします。
嫌われるより、がっかりされる方がずっと怖いです。
これはどうしてなんでしょうか。
遥
「嫌われるのと、がっかりされるのって違うんだよな」
蓮司
「違うな」
日下部
「同じではない」
遥
「嫌いってさ、相手の問題もあるじゃないか。合う合わないとか、価値観とか」
蓮司
「まあ、そういうものだし」
遥
「でも、がっかりって自分が期待に届かなかった感じがする」
日下部
「失敗の責任が全て自分にあるように感じるわけか」
遥
「そう。だからきつい」
蓮司
「Mさんって、嫌われるのが怖いというより誰かの中の自分を壊すのが怖いんじゃないか」
遥
「……それかもしれない」
日下部
「つまり、評価を失うことより信頼を失うことを恐れている」
遥
「信頼か?」
日下部
「少し違うな。理想像だ」
蓮司
「そっちだな。優しい人とか、真面目な人とか、頼れる人とか、そういう役を降りるのが怖い」
遥
「分かる。一回そう見られるともう疲れたって言いづらい」
日下部
「だから無理をする」
遥
「それでまた期待される」
蓮司
「少しずつ役が固定される」
日下部
「悪循環だな」
遥
「でもさ」
少し考える。
「がっかりされるのってそんなに悪いことか?」
蓮司
「珍しいな」
日下部
「どういう意味だ」
遥
「いや、本当の自分っていうと変だけど、ずっと百点の人間なんて無理だろ。どこかで誰かはがっかりすると思う」
蓮司
「それはある。むしろ、一回もがっかりされない方が難しい」
日下部
「人間だからな。期待と現実が一致し続けることはない」
遥
「だから、がっかりされる=終わりじゃないと思う」
蓮司
「関係って、理想が壊れてから続くこともあるし」
日下部
「むしろその方が安定する場合もある」
遥
「それで離れるなら」
少し間を空ける。
「最初から期待で繋がってたのかもしれないし」
蓮司
「まあ、そういう見方もできる」
日下部
「少なくとも、無理を続けることが正解とは限らない」
🗝 三人からのことば
遥
「がっかりされるのが怖いのは、それだけ期待に応えようとしてきたからかもしれない」
蓮司
「理想が壊れてから始まる関係もある」
日下部
「期待に応え続けることと、大切にされることは同じではない」
コメント
1件
お疲れさまです、寺島あおいです。 第13話、読ませていただきました。 「嫌われる」より「がっかりされる」方が怖い——この感覚、すごくわかります。Mさんのように、期待に応え続けなきゃと思って無理をしてしまうこと、ありますよね。 三人の対話がじんわり沁みました。特に蓮司さんの「理想像だ」という言葉と、遥さんの「百点の人間なんて無理」という気づき。最後の「理想が壊れてから続く関係もある」がとても優しくて、泣きそうになりました。 無理をしている誰かの背中を、そっと押してくれるような回でした🤍
ruruha
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