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宗谷は部屋の隅で小さく縮こまっていた。
相川の気配が近づくたび、心臓が跳ねる。恐怖と、どうしようもない従順さが入り混じる。
「おい、どこ見てんだ」
相川の声は低く、鋭かった。
「……す、すみません……」
宗谷は咄嗟に頭を下げる。
相川は机の上に拳を打ち付け、震える音が部屋に響く。
「またミスしたんだろ」
「……はい……」
言葉少なに答える宗谷。涙が頬を伝う。相川はそれを見て、さらに苛立ちを募らせた。
「……お前、本当に従順すぎるな」
指先で宗谷のあごを掴み、無理やり顔を上げさせる。
「目、見ろ」
恐怖に耐えながらも、宗谷は目を合わせる。
その瞬間、相川は手を離さず、唇を近づけた。
「……んっ……あっ……」
小さな声が漏れ、体は自然に反応してしまう。
相川はそれを楽しむかのように、唇を重ね、首筋を舌先でなぞる。
「……お前、感じやすいな」
「や、やめ……っ」
抗う声は弱く、相川の手に握られたまま。
無理やりソファに押し倒され、手足を抑えられる。
「……っ、あ……やめ……」
「喋るな、体で覚えろ」
相川の低い声は命令のようで、宗谷は全身の力を抜かざるを得なかった。
シャツ越しに触れられる胸、指先が腹を這うたび、体は熱くなる。
「……あっ、く……」
抗いたくても、抗えない。
精神と身体が混乱し、声も涙も止まらない。
相川は満足そうに笑い、手をさらに下へと滑らせる。
「……お前、本当に俺の言いなりだな」
「……は、はい……」
泣きながら答える宗谷の体を、相川は隅々まで確かめるように責めた。
夜が深まるほど、宗谷は自分の弱さと快楽の交錯に翻弄される。
支配的な相川に完全に掌握され、声も抑えきれず、体は震え続ける。
それでも心の奥底で、抗えない安心感がわずかに芽生えているのを宗谷は知っていた。
夜が明け、相川はソファに座ったまま、ぼんやりと宗谷を見下ろす。
「……起きろ。飯、作れ」
「……はい……」
震える手で立ち上がり、宗谷は背中を丸めながら動く。
相川は何も言わず、ただ満足げにグラスを傾ける。
宗谷は静かに息を整え、心の中で自分を慰めた。
「……これでも、俺、必要なんだ」
体は散々に弄ばれた夜だったけれど、精神の奥底で、確かに自分が存在している感覚があった。
二人の関係は甘くない。
けれど、壊れた夜のあとも、宗谷は耐え、相川はそれを支配し続ける。
その歪な依存と支配の関係は、夜が更けるたびに深まっていくのだった。