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#読み切り
ドアが開く。
相談者はスマホをポケットにしまいながら言った。
「俺だけ呼ばれてない気がする」
蓮司は椅子を引く。
「何でそう思った」
「ストーリー。みんなで遊んでるやつ。普通に仲いいメンバー」
「事前に話はあった?」
「ない。全く」
蓮司は座る。
「他にもあった?」
「前も一回。あとから知った」
「頻度は高い?」
「たまに。でも一回でもきつい」
少し沈黙。
「それ、“毎回外されてる”のか、“たまたま外れた回を見てる”のかで違う」
「でも呼ばれてないのは事実じゃん」
「事実。ただ理由が一個とは限らない」
相談者は眉を寄せる。
「理由って」
「人数制限、ノリ、タイミング、発起人との距離。全部混ざる」
「じゃあ俺が嫌われてるわけじゃない?」
「それだけでは判断できない」
相談者は少し強く言う。
「でも選ばれてない」
「その回ではな」
間。
言葉が残る。
「どうすればいい」
「二方向ある。“待つ”か“作る”か」
「待つのはきつい」
「なら作れ」
「誘う側?」
「そう。小さくでいい。二人か三人」
相談者は戸惑う。
「断られたら?」
「普通にある。そこで全部判断するな」
「でも怖い」
「分かる。ただ“呼ばれる側”だけやってると、状況は変わらない」
相談者は黙る。
「もう一つ」
「何」
「“全員に呼ばれる”は無理。グループごとに温度が違う」
「じゃあどこに行けばいい」
「自分が楽な人数とノリに合わせろ。合わない場所で待っても呼ばれにくい」
相談者は小さく息を吐く。
「確かに、あのノリちょっときつい」
「それでも入りたいなら、頻度上げる。普段の接触増やす」
「普段か」
「遊びだけで関係は決まらない」
少し沈黙。
「もしまたストーリー見たら?」
「一回だけ“楽しそうだな”で終わり。深読みしない」
「何も言わないの?」
「言うなら軽く。“今度混ぜて”って一言だけ。重くするな」
相談者は頷く。
ドアが閉まる。
誘われるかどうかは、評価だけじゃない。
回ってきてないだけのことも、多い。