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📱グループLINE〈22:48〉
A:なあ、昨日のルールつまんなくね?
B:三分以内返信とか甘い。犬でもできる。
C:こいつ人間じゃないんだから秒で返せるでしょ。
A:じゃあ30秒以内。既読ついたらタイマーな。
B:遅れたら“ごめんなさい”十回。声出して。録音あり。
C:草。ほんとやらせようぜ。
遥:……そんなの無理だろ
A:反抗期?
B:おー出た出た、口答えモード。
C:じゃ、ルール追加。“反論禁止”。
A:てか、最近つまんないな。もう少し喋らせたくない?
B:いいね。意味のないこと永遠に言わせよ。
C:「今日は楽しかったことを30個言う」とか?
A:笑った。30個もねえだろ。
〈スタンプ:拍手👏👏👏〉
遥:……別に、楽しいことなんか……
B:はい、否定禁止。
C:おい、またルール破り。マイナス1ポイント。
A:マイナス10で退会処分だな。でも退会させねぇけど。
〈笑いのスタンプ連投〉
B:てか、なんでまだ生きてんの?
C:ほんと。毎日そんな顔して。
A:生きるのもルール違反にすっか?
遥:やめて……
B:感情表現禁止。
C:てか声出して読んでんの想像すると笑える。
A:あーもう可哀想通り越して面白い。
〈スクショ送信〉
B:見てこれ、前の謝罪文。作文レベル低っ。
C:ほんとに人間?って感じ。
A:まあ、ただの“遊び道具”だし。壊れても困らん。
遥:……
B:沈黙も違反。
C:タイマー動いてるよ。あと五秒。
A:ほら、早くなんか言えよ、“犬”。
遥:……ごめんなさい
A:テンション低い。
B:ほんと使えねえ。
C:いいや、今日はこれで寝よ。犬、反省文三行明日まで。遅れたら罰追加。
〈グループ名変更:『実験観察日誌』〉
その通知が鳴り止んだあとも、
スマホの光は消せなかった。
指先が勝手にタイマーを意識して動く。
「何秒で反応できるか」──それだけが、
彼がまだ存在している証のように思えた。