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A:三分ルール、もう飽きた。
B:いや、むしろ短くしよう。十五秒でどう?
C:あり。タイマーつけた。
D:誰か数えてw
E:俺スクショで管理しとく。
F:つかさ、こいつLINEなきゃ生きてけないじゃん。
G:依存症だよ。俺らの言葉しか栄養ないやつ。
H:かわいそー、俺らいなきゃ死ぬじゃん。
I:じゃ、試しに既読無視してみる?
A:ダメダメ、それ前やったら泣いたし。
J:あれマジ笑った。顔真っ赤にして“すみません”連投w
〈スタンプ:犬が土下座するやつ〉
A:てか、なんか喋らせよ。ネタやりたい。
B:今日のテーマ決めよ。「自分のいいところ10個」。
C:いいね。どうせ1個も出てこねーけど。
H:嘘ついてでも埋めさせようぜ。
遥:……俺、そういうの無理。
E:ほら始まった。やる気ねーやつ。
G:ルール追加。“断る禁止”。
I:つかお前、顔面以外になんかある?
J:いや顔面もねえよ。
〈笑いスタンプ連投〉
A:いいから10個出して。
B:10秒以内に最初のひとつ。タイマー、スタート。
C:はいっ、10、9、8……
遥:……まじめ、……かも。
H:どこがw
E:笑い取るのうまいな。
G:お前、呼吸だけは真面目だよな。
〈爆笑スタンプ連打〉
I:2個目いけよ。
J:スピードアップしろ。“遅延ペナルティ”追加な。
A:ルール⑤、ため息禁止。ルール⑥、途中で泣かない。
B:⑦、既読遅延三回で音読罰ゲーム。
C:いいね。録音送信で笑える。
遥:……やめてくれ。
H:は?命令口調?
E:こいつ誰に話してんの?
G:ほんと調子乗るなよ。お前の立場わかってんの?
〈“リーダーがグループ名を変更しました:『ペット飼育記録』〉
A:しっくりくるな。
B:日誌書かせようぜ。今日の反省と感想。
C:「人間に近づけるよう努力します」って毎回最後につけて。
J:あーいい。
H:次は動画付きにしよ。
遥:…………はい。
〈既読10〉
A:返事遅い。マイナス3。
B:ほんと、反応悪いわ。壊れてきた?
C:メンテ必要だな。
〈スタンプ:工具と犬の組み合わせ〉
E:おもちゃって飽きるけど、壊す瞬間だけは楽しいよな。
H:な。あの沈黙の間、最高。
G:生きてんのに死んでる音するよな。
I:やっぱさ、こいつは“人間のフリしたもの”だよ。
A:うん。だから、これでいい。
〈通知:グループ名が再変更されました → 「遺影」〉
スマホの画面が静まり返る。
光の粒の向こうで、十の指が同時に笑っていた。
彼が見ているのは文字だけ。
けれど、そこには確かに“笑っている顔”が見えた。
見たことのある顔。
学校で、すれ違うたびに視線を逸らす顔。
――それが、いちばん痛かった。