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会議室のざわめきの中、遥は椅子に座ったまま小さく肩を震わせる。教師が指を指した瞬間、空気が張り詰める。
「桐生遥、前に出て話してもらおうか」
声は淡々としているが、その一言で心臓が凍るような重圧が襲う。
周りの生徒がざわざわと笑い、囁き声が飛ぶ。
「泣きそう」
「見てられない」
「またグダグダ言うんじゃね?」
遥は息を整える。肩で小さく息をし、唇を噛む。涙が頬を伝い、嗚咽が喉の奥でこもる。
教師が紙やメモを持たず、ただ目で圧をかける。
「さあ、何を感じたか話してみろ」
震える声で言葉を絞り出す。
「博物館……いろんな……展示があって……感じたこと……」
声がかすれ、涙で視界が揺れる。後ろで笑い声が響く。
「何言ってんだ、意味わかんねえ」
「もっと考えろよ、馬鹿か?」
教師が手で頭を叩く。小さな痛みが心に刺さる。
「違うだろ。もう一度、ちゃんと言え」
遥は再び言葉を探し、嗚咽を押さえながら小さく口を開く。
「命の……大切さ……を……考えました……」
「考えましたって、そんな簡単な言葉で済むかよ」
別の教師が背中を叩き、肩を押し込む。床に膝をつきながら、遥は言葉を必死に繋ぐ。
生徒の囁きは容赦なく、人格を否定する。
「冷たいな、何も感じてないだろ」
「泣けよ、泣くべきだろ」
「人間味ゼロだな」
遥は涙を拭い、嗚咽をこらえ、次の言葉を探す。
「人の……命は……尊い……と思います……でも……」
「でも? でもって何だ、はっきり言え!」
声と手が飛ぶ。肩を叩かれ、頭を押さえつけられる。
嗚咽を小さく漏らしながら、遥は言葉を絞り出す。
「でも……戦争や……悲しいことも……あって……」
「お前の言葉は薄っぺらい! もっと心を込めろ、気持ちを見せろ!」
教師の叫びと生徒の冷笑が交錯し、遥は小さく震え、唇をかみ、涙を流しながら言葉を続ける。
会議室の空気は冷たく、周囲は遥の恐怖と羞恥を楽しむ。声が途切れ、嗚咽が漏れるたびに嘲笑が増幅する。
遥は震える体で必死に耐え、涙を流しながらも声を絞り出す。心は押し潰され、身体は硬直し、存在そのものを踏みにじられる感覚だけが残る。