家に帰ると雪子は俊へメッセージを送った。
【お疲れ様です。今日ケーキを提供してくれるお店が見つかったのでカフェの件進めて下さい。よろしくお願いします】
雪子は買って来たケーキの箱を開け写真に撮るとそれも添付した。
俊からはすぐに返事が来た。
【いよいよ決心したんだね。じゃあ具体的に進めさせてもらうよ。このケーキ美味しそうだなぁ、2つあるけれど1つは和真君の分?】
【ううん、1つだけ買うのも申し訳なかったので2つ買っちゃった】
【だったらご馳走になろうかなぁ? その前に一緒に夕飯を食べに行かない? 帰りはうちに泊まるといい】
雪子は思わず飛び上がった。今日の夕飯は家にある残り物で済ませようと思っていたからだ。
【うん、行く】
雪子は返事を送ると何を着て行こうかと考え始める。
季節はすっかり秋が深まっているというのに雪子の心はまるで真夏のように輝いていた。
俊が迎えに来た時雪子はVネックの黒のセーターにグレーのフレアースカートを履いていた。
寒い時の為にショールを手に持ち俊の車へ乗り込む。
雪子が持っていた一泊分の着替えが入ったバッグとケーキの箱は俊が後部座席へ置いてくれた。
「今日はどこへ行くの?」
「横須賀方面へ行ってみようか? イタリアンでいい?」
「うん」
イタリアンは前に優子と行ったきりだったので雪子は楽しみだった。
「海沿いのレストランで良さそうな所があってね、気になっていたんだ」
俊も初めて行く店のようだ。40分ほど海沿いのドライブを楽しんだ後車はレストランへ到着した。
俊が言っていた通りレストランは道路を挟んで海のすぐ目の前に建っていた。
ブルーグレーの店を入ると中はとても可愛らしい雰囲気だ。テーブルには赤と白のギンガムチェックのクロスが掛けられている。
壁や窓辺には木製のキャプテンホイールや灯台の置物等が飾られていた。あちこちに大きな貝殻も置いてある。海を思わせる店内はとても落ち着く雰囲気だった。
「海のイメージの可愛い店だね」
「うん、こういう雰囲気好きかも」
二人は窓際の席へ案内された。
メニューには魚介をふんだんに使った美味しそうなメニューが並んでいる。二人は料理をいくつか頼んでシェアする事にした。
二人が頼んだのはアサリのガーリックソースやホタテのグリル、真鯛のアクアパッツァ、そしてピザとサラダも頼んだ。
飲み物は俊がノンアルコールワイン、そして雪子は俊に勧められてグラスワインを頼む。
「雪子は飲むと色っぽくなるから楽しみだ」
そこで雪子は俊の企みに気付く。
「あ、はめられたわ」
雪子がしまったという顔をしたので俊が笑った。
食事をしながら二人はこれから作るカフェについての議論で盛り上がる。
それはテーブルの数や1日の予想来店客数など経営に関わる事から内装やメニューについての具体的な案など多岐に渡る。
店内のインテリアについては雪子があまりお金をかけたくないというと俊が北欧の家具を取り扱う大型家具店で揃えたらどうかとアドバイスをする。
「でもあそこの家具はほとんどが組み立て式でしょう? 私そういうの苦手なの」
「俺が組み立ててやるよ」
「本当?」
雪子の瞳がキラキラと輝く。
「ああ。購入する物と数が決まったら今度一緒に買いに行こう」
「ありがとう、嬉しい」
雪子は心から嬉しそうに笑った。
その後も二人は楽しい会話を繰り広げながら美味しい食事に舌鼓を打った。
雪子はほんのり酔った頭でこの幸せな時間がいつまでも続きますようにと祈る。
雪子は俊と会う度にどんどん俊の事が好きになっていた。今だに自分がこんな素敵な男性と一緒にいる事が信じられない。もしかしたら夢でも見ているのではないかと思ってしまう。
この後俊の家へ行き俊に抱かれる自分を想像しただけで身体の奥がズキンと疼く。雪子は身も心ももうすっかり俊に支配されている事に気付いた。
美味しい食事を終えた二人は店を出てから手を繋いで駐車場へ向かう。
「帰る前に海を見てみる?」
雪子が頷いたので二人は砂浜へ続く階段を下りていった。そして波打ち際を目指す。
目の前には真っ暗な海が広がっていた。沖から吹く風が心地よい。
このビーチは道路からだいぶ低い位置にあるので辺りに人影はなく二人きりだった。
今夜は満月からほんの少し欠けた月が海を明るく照らしていた。
月からこぼれ落ちる光は海の上を一直線に照らし光の道を作りキラキラと輝いていた。
「綺麗ね」
「うん。今日は割と暖かいね、海風が気持ちいい」
俊はそう言った後雪子を抱きよせてから唇を重ねる。そっと触れるようなキスだ。
焦らすような俊の唇、そして頬をくすぐる海風、耳には優しい波の響き。月明かりがうっとりした雪子の顔を浮かび上がらせる。
俊のキスは徐々に激しくなっていった。それと同時に二人の息も荒くなる。
俊が雪子をギュッと抱き締めると柔らかな雪子の乳房が俊に当たる。それだけで俊はたまらない気持ちになる。
我慢出来なくなった俊は両手を徐々に下へとずらしていく。そして雪子の柔らかい尻をまさぐり始めた。
雪子の尻を撫でたり揉んだり俊の手はせわしなく動き続ける。すると徐々に雪子の口から甘い吐息が漏れ始めた。
辺りに人がいない事を確認すると俊の左手は雪子のスカートの中へ潜り込みタイツ越しに雪子の尻を揉み始めた。それと同時に右手はセーターの中へ滑り込み更にブラジャーの下へ潜り込むと雪子の乳首をいじり始めた。
途端に雪子が可愛らしい喘ぎ声を上げる。
こんな場所でという羞恥心と酔いのせいもあり雪子の感度は最大になっていた。俊からの執拗な愛撫のせいでいつの間にか雪子の中から愛液が溢れ始めている。
雪子の頭の中では恥ずかしい気持ちとやめてほしくないという気持ちがせめぎ合っていた。
タイツ越しに雪子の尻を撫で続けていた俊の手がとうとうタイツと下着の中へ潜り込んでいった。
そしてその指はなだらかな二つの丘を捉えるとその中心にある割れ目の上を滑って行った。
「はあぁっっ……んっっ」
その声に興奮した俊は雪子の耳に舌を這わせた。三ヶ所同時に攻められたらもう立ってはいられない。
雪子があまりの快感にガクガクと震え始めると俊はガッチリと雪子の身体をホールドする。
しかし容赦なく俊の指は更に割れ目を辿り前方へと向かう。もうその場所は既にビショビショで勝手に指が滑ってしまうほどだ。俊は雪子の感じやすい部分を指でチロチロと擦り始める。その途端雪子が大きな声を上げた。
「あぁんっっ……ダメ……っっ」
雪子は身体中の力が抜け俊にもたれかかるような体勢になる。
しかし俊は指の動きを止めなかった。
もう少しで雪子がイクという時、俊は突然指の動きを止めた。そして雪子のタイツから手を引き抜いた。
そして雪子で囁く。
「もう我慢できない、家に帰ろう」
雪子はもう少しで達するという一歩手前で止められたので不完全燃焼でもやもやとしていた。
俊の言う通りこのままここで続ける訳にはいかない。しかし家まで果たして我慢できるのだろうか?
その時雪子が切ない声で言った。
「だめ……今すぐ欲しい」
雪子の言葉に俊が驚く。そしてすぐに嬉しそうな表情に変わった。普段おとなしい雪子からそんな可愛いおねだりをされたらなんとか応えてあげたいと思う。
そこで俊はしばらく考えた。
「と言ってもこの辺りにホテルはないしなぁ…….」
その時俊は何かを思いついたようだ。そして雪子の手を取ると急いで車へ向かった。
二人が車に戻ると俊は鎌倉とは反対方向に車を走らせた。
「どこへ行くの?」
「人が来ない場所を探そう」
「え?」
「俺も家まで我慢できない」
俊は苦笑いをすると二人が愛し合える場所を探し始めた。
海沿いをしばらく進むと民家も店もない場所へ差し掛かる。街灯も少ないので辺りは暗闇に包まれていた。
やがて前方にはすっかり寂れた漁師小屋のような建物が見えてきた。建物の向こうに車を停めれば死角になってどこからも見られない。
海からは一段高くなった崖の上なので夜釣りの釣り人が通る事もないだろう。
俊はその小屋の陰に車を停めた。
コメント
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イタリアンレストランでお食事の後は 海辺で散策.🌊 美しい月の光に照らされながら、二人は抱擁&熱いキスを交わし....🌔✨ 想いが溢れ、止まらない二人💖 いくつになっても これだけ一途に、夢中になれるのって素敵だね✨ 自然にまかせ、思う存分愛し合ってね💏💕
面白いですね。 出来れば私の読切も読んで頂けたら幸いです
もうドキドキ💓キュンキュン🫰🫰🩷の2人の逢瀬(*≧∀≦*)💕蕾だった雪子さんが俊さんの手で大輪の百合の花を咲かせたような大人の純愛の時間を堪能してる〜✨✨ 愛されてますます身も心も美しくなる雪子さんが素敵👩❤️💋👩💕💖