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高校三年生・仮名:Tさん
勉強も部活も、ちゃんとやってるつもりです。
サボってるわけでもないし、自分なりに工夫もしています。
でも、結果が出ません。
テストの点も伸びないし、部活でも評価されません。
周りには、あまり努力していないように見えるのに結果を出している人もいて、正直しんどいです。
このまま続けても意味があるのか、分からなくなってきました。
努力って、報われないこともあるんでしょうか。
遥
「ある」
即答。
Tさん
「……やっぱり」
蓮司
「あるな」
日下部
「残酷ではあるが事実」
Tさんは少し俯く。
「じゃあ」
小さく言う。
「どうすればいいんですか」
遥
「分けて考える」
Tさん
「分ける」
遥
「努力には」
少し間。
「“量の問題”と“方向の問題”がある」
Tさん
「方向」
蓮司
「めっちゃ頑張ってても」
手を軽く動かす。
「ズレてたら当たらない」
Tさん
「……」
日下部
「自己流が悪いとは限らないが、効率が低い可能性はある」
Tさん
「じゃあ」
少し焦る。
「全部間違ってるんですか」
遥
「全部ではない」
短く言う。
「ただ」
少しだけ視線を上げる。
「“見直す価値はある”」
Tさんは黙る。
蓮司
「例えば勉強なら」
指を折る。
「時間じゃなくて理解度で見てるか」
遥
「解いた問題の“理由”を説明できるか」
日下部
「復習の比率は適切か」
Tさん
「……」
遥
「部活なら」
少し続ける。
「ただ回数こなしてないか」
蓮司
「改善ポイント意識してるか」
日下部
「第三者の視点を入れているか」
Tさんは少し考える。
「……正直」
小さく言う。
「量で押してたかもしれません」
遥
「それ自体は悪くない」
蓮司
「基礎にはなる」
遥
「でもそれだけだと伸び止まる」
Tさん
「……」
少し沈黙。
「でも」
顔を上げる。
「それでも結果出ない人っていますよね」
遥
「いる」
蓮司
「普通にいる」
日下部
「環境差。才能差。タイミング」
静かに言う。
「無視できない要素も存在する」
Tさん
「……」
遥
「だから」
少し間。
「“努力すれば必ず報われる”は正しくない」
Tさんは目を伏せる。
蓮司
「ただな」
少し真面目な声。
「“意味がない”とも違う」
Tさん
「意味」
遥
「努力は」
ゆっくり言う。
「結果に直結しないこともある」
少し間。
「でも“何も残らない”ことは少ない」
Tさん
「……」
日下部
「スキル。耐性。思考法。
形を変えて蓄積される」
Tさん
「でも」
少し強く。
「今ほしいのは結果なんです」
遥
「分かる」
短く。
蓮司
「そこだよな」
日下部
「では現実的な話をする」
Tさんを見る。
「“勝てる場所を選ぶ”という選択もある」
Tさん
「場所」
遥
「同じやり方で同じ場所に居続ける必要はない」
蓮司
「戦い方変えるか、フィールド変えるか」
Tさん
「逃げじゃないですか」
遥
「戦略」
即答。
日下部
「適応とも言う」
Tさんは黙る。
「でも」
小さく言う。
「続けてきたものを変えるの怖いです」
遥
「普通」
蓮司
「むしろ自然」
日下部
「変化にはコストが伴う」
Tさん
「……」
遥
「だから」
少しだけ柔らかく。
「全部変えなくていい」
Tさん
「え」
遥
「一部だけ変える」
蓮司
「小さく試す」
日下部
「検証する」
Tさんはゆっくり頷く。
「努力って」
小さく言う。
「無駄になることありますか」
遥
「ゼロではない」
正直に言う。
「でも」
少し間。
「“同じ無駄を続ける”方がきつい」
Tさん
「……」
蓮司
「だから修正する」
日下部
「それも努力の一部」
Tさんは立ち上がる。
ドアの前で止まる。
「続けるかやめるかしかないと思ってました」
遥
「間もある」
蓮司
「調整ってやつ」
日下部
「最適化とも言う」
Tさんは小さく息を吐く。
「少しだけやり方を変えてみます」
遥
「それでいい」
蓮司
「結果出たらラッキー、出なくても次いける」
日下部
「試行の回数が精度を上げる」
Tさんは軽く頭を下げた。
ドアが閉まる。
少し静かになる。
蓮司が言う。
「“頑張ってるのに報われない”って一番削れるよな」
遥
「折れる前にズレ直せるかどうか」
日下部は静かに言う。
「努力は」
少し間。
「量ではなく更新され続けることで意味を持つ」