アレクシスへ。
君に出会ってから、どれほどの時が過ぎただろう。
季節も、世界も、名前すら変わってしまっても、
僕の中では、あの庭の光だけがずっと消えなかった。
君が僕を探してくれたこと。
何度でも呼んでくれた声。
そのすべてが、僕をこの場所へ導いてくれた。
夢の中で君に触れた温もりを、
いまも、胸の奥で感じている。
たとえ現実がどれほど冷たくても、
その温もりひとつで、僕は歩いてこられた。
“今度こそ、君を置いていかない” ――
あの言葉を聞いたとき、世界が少しだけ優しくなった。
僕も、君を置いていかない。
たとえもう一度、夜が訪れても。
だからね、アレクシス。
僕は今日も描き続けるよ。
君が生きる世界を、君が笑う庭を。
そこに風が吹くたび、きっと君は微笑むはずだから。
もしもまた世界が崩れても――
魂が覚えている限り、何度でも見つけにいく。
それが、僕たちの“永遠”だから。
ありがとう。
君に会えてよかった。
――真白
白い花びらが一枚、風に舞う。
遠い光の向こうで、誰かが笑う気配がする。
その声は静かに、確かに響く。
“また会おう、真白。”
――物語、終幕。
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