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教室の中、遥は背中を壁に押し付けながら必死で足を組み替え、腰をひくつかせた。トイレに行かせてもらえない。数時間前から限界は近づいていた。
「おい、まだ耐えてんのかよ、雑巾くん」
クラスの声が耳を刺す。笑い声が重なり、視線が一点に集中する。遥は視線を避けるように床を見つめ、ただ震えた。
自分の身体が裏切る。股間の感覚が限界に達し、温かさがじわりと広がる。
「……や、やだ……」
小さく、かすかな声が漏れた。
「なに、漏れたのか? 見せてみろよ」
誰かの声に、また笑いが重なる。遥は頭を抱え、恥ずかしさに顔を真っ赤にしたまま縮こまる。自分の存在が、ただの見世物になってしまった瞬間だった。
「くっそ……なんでオレなんか……」
心の中で自己嫌悪が炸裂する。幼い頃からずっと虐められ、家庭でも無視され、学校でも無価値扱い。今、この瞬間も、それは変わらない。自分の意志など何の意味もない。
「ほら、もっとじっとしてろよ。動いたらさらに笑われるぞ」
声は笑いを含み、残酷さを増す。遥は身動きも取れず、ただ床を見つめ、漏れ続ける身体を止めることもできない。
「雑巾みたいだな、ほんと」
誰かがそう言うたび、胸が締め付けられる。身体だけでなく心まで雑巾のように絞られ、汚され、消えたいと思う。
「うっ……くっ……いや……」
かすかな呻き、吐息、声にならない声。それらすべてが嘲笑の餌となる。教室の空気は冷たく、残酷で、逃げ場はどこにもない。
自分を守る力も、助けてくれる存在もない。圧倒的な孤独と羞恥感が身体を貫き、心まで痺れる。
「誰も……俺のこと、必要としてない……」
自己否定の言葉が口をつき、涙とともに溢れそうになる。しかし、誰も拭いてはくれない。
笑い声が遠く、しかし重く響く中、遥はただ自分を縮こませる。身体も心も、周囲の残酷さに徹底的に抉られていった。
教室は笑いと嘲りで満ちていた。遥は床にうずくまり、漏らしてしまった股間の熱を押さえながら、必死に震えを堪える。しかし声にならない呻きも、くぐもった息も、すぐにクラスメイトの耳に届いた。
「おい、雑巾、ちゃんと掃除しろよ。ちゃんと舐めろ」
「きったねー、まるで犬みたいだな」
言葉が、皮膚を刺すように残酷で、胸を押し潰す。遥は顔を上げることすらできず、ただ下を向き、目に涙をためる。自分の身体が笑いものになり、羞恥心が心を貫く。
「……いや……」
小さな声が漏れた瞬間、さらに嘲る声が重なる。
「自分のせいだろ、ちゃんと舐めろよ。ほら、逃げんな」
「雑巾、まるで人間じゃないな」
遥は言われるまま、身体を使って処理する。舌先で、濡れた床を舐め、身体の震えが止まらない。羞恥と痛みで吐き気さえするが、止められる力はない。
「ほら、見ろよ、雑巾が自分で掃除してるぞ」
笑い声に、さらに羞恥が追い打ちをかける。遥の内心は怒りや悔しさではなく、ただ消えたい、消えてしまいたいという思いでいっぱいだった。
自分の存在は、幼少期から繰り返された虐待やいじめと同じ構造の中にある。学校の奴らの残酷さも、家での暴力も、すべて繋がり、遥を抑え込み、踏みにじり、徹底的に追い詰める。
「雑巾、もっとしっかり舐めろ、甘えてんじゃねえ」
言葉が刺さるたび、遥は心の奥まで削られる。羞恥、絶望、自己否定……すべてが渦巻き、身体の震えと連動して止められない。
涙と恥ずかしさ、痛みが混ざり合い、遥の心身は完全に追い込まれる。声にならない呻きも、くぐもった吐息も、すべてが周囲の笑いの糧となる中、遥はただうずくまるしかなかった。