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夕暮れの商店街。大地はラムネを片手に、ふくれっ面の隼人をちらり。


「なぁ、まだ昨日のアレ怒ってんの?」


「怒ってない」


即答。けど声が低い。


昨日のボードゲーム大会。

隼人が温めていた“完璧作戦”を、

大地がノリでちゃぶ台返し。

会場は大爆笑、隼人は笑ってた――けど目だけ笑ってなかった。


「怒ってない人が三回も“怒ってない”って言う?」


「言ったのは一回目」


「……細かっ!」


大地がツッコミを入れる横で、隼人はジュースのストローをぐるぐる回す。

その表情がやけに真面目で、なんかムズムズする。


「俺さ、みんなが盛り上がると思って――」


「盛り上がった。俺以外」


「ほらやっぱ怒ってんじゃん!」


そんな掛け合いの背後から、


「隼人くん冷静ツッコミ封印中?」


萌絵がひょいと現れ、隣には涼。


「BL的には“距離が縮まらない距離感”ってやつだな」


涼の実況がすかさず飛ぶ。


「なにその解説!」


大地が慌てると、隼人がふっと笑った。

けれど目線はすぐ逸らす。


商店街を四人で歩きながら、

わちゃわちゃと冗談が飛び交う。

笑い声が混じる中、大地はふと気づく。

――隼人の笑みは、いつもの“完全”じゃない。


ラムネの泡が弾ける音が、

そのまま二人の微妙な距離にかすかに重なった。


いじめのはずがプロポーズでした

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