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#命
ruruha
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#学園
要 九十九
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星キラリ

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眠狂四郎
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「なあ、美咲。今度の日曜、空いとる?」
放課後の花火部で、片付けをしていた美咲は顔を上げた。
声をかけてきたのは直人だった。部室の窓際で、使い終わった道具の点検表をまとめている。いつもどおりの落ち着いた顔だったが、美咲は手に持っていた雑巾を落としそうになった。
「日曜? なんで?」
「前に遊園地行きたいって言うとったやろ。みんなの予定が合いそうやから、どうかなと思って」
「あっ、行きたい! めっちゃ行きたい!」
思った以上に大きな声が出た。
向かい側で道具箱を閉めていた亮介が、すぐに顔を上げる。
「うわ、びっくりした。そんな楽しみやったんか」
「そら楽しみやろ! 遊園地やで?」
「いや、遊園地くらいでそんな喜ぶ?」
「くらいって何やねん! 遊園地は特別やろ!」
「はいはい。美咲は絶叫系に乗りたいだけやろ」
「それもある!」
美咲が胸を張ると、紗季が呆れたように笑った。
「ほんま、分かりやすいなあ。まだ行くって決まっただけやで」
「だって、みんなで行くん久しぶりやん!」
そう言いながら、美咲は直人を見た。
直人は点検表から顔を上げ、少し笑った。
「ほな、決まりやな。朝、駅に集合でええ?」
「ええよ! 何時?」
「九時くらいかな」
「九時!? 早っ!」
「さっきまで行きたい言うとったやん」
「行きたいのと、朝早いのは別問題やねん!」
亮介が吹き出した。
「出た。自分から行きたい言うといて文句言うやつ」
「文句ちゃうわ! 確認や!」
「何の確認やねん」
部室に笑い声が広がった。
美咲も笑った。日曜日の予定がひとつ増えただけなのに、帰り道まで楽しみになった。
それが、直人も一緒だからだとは、口に出せなかった。
日曜日の朝、美咲は目覚ましが鳴る前に目を覚ました。
枕元の時計を見る。まだ集合時間まで余裕がある。
もう一度寝ようと思ったが、目が冴えてしまった。
服を選ぶのに時間がかかり、髪を整えているうちに、いつもよりずっと早く家を出ることになった。
駅に着くと、改札の近くに紗季が立っていた。
「おはよう、美咲。早いやん」
「おはよう! なんか目ぇ覚めてもうて」
「遠足前の小学生か」
「違うって!」
紗季は笑いながら、美咲の服を眺めた。
「それ、昨日買ったやつ?」
「うん。変ちゃう?」
「別に変ちゃうよ。かわいいやん」
「ほんま?」
「ほんま。誰に見せたいんか知らんけど」
「そんなんちゃうわ!」
美咲はすぐに否定した。
けれど、紗季は何も言わず、口元だけで笑っていた。
やがて亮介が走ってきた。片手にはコンビニの袋を持っている。
「おはよう。間に合った?」
「集合時間の五分前やで。普通やろ」
紗季が答えると、亮介は息を整えながら袋を持ち上げた。
「いや、朝飯買うてたら時間なくなってん。これ、電車で食べてもええかな」
「食べたらええやん」
「ほな、遠慮なく」
「遠慮する場面ちゃうやろ」
三人で話していると、改札の向こうから直人がやってきた。
「おはよう。待たせた?」
「おはようございます!」
美咲は反射的に返事をした。
亮介がすぐに振り返る。
「お前、さっきまで俺らには普通やったやん。直人先輩来た途端、何やねん」
「何も変わってへんわ!」
「声、でかいで」
「亮介がうるさいねん!」
直人は二人のやり取りを見て笑った。
「朝から元気やな。ほな、行こか」
その一言で、みんなが改札へ向かった。
美咲は直人の少し後ろを歩きながら、さっきの自分の声を思い返していた。
変に思われていないだろうか。
服を気にしていることも、早く来てしまったことも、直人には知られたくなかった。
それでも、隣を歩ける距離にいることがうれしかった。
遊園地に着くと、入口の向こうに色とりどりのアトラクションが見えた。
美咲はチケットを手にしたまま、目を輝かせた。
「うわ、すごい! あれ乗ろうや!」
指さした先には、空高く上がってから急降下するジェットコースターがあった。
亮介が顔をしかめる。
「いきなりあれはきついやろ」
「ええやん! せっかく来たんやし!」
「俺、もうちょっと穏やかなやつから始めたいねんけど」
「何言うてんの。乗る前から負けてどうすんねん!」
「何に負けんねん!」
紗季が二人の間に入った。
「はいはい。最初から全員の意見を無視せんといて。とりあえず、みんなで乗れるやつからにしよ」
「紗季までそっち側なん?」
「そっち側も何も、うちら四人で来たんやから」
その言葉に、美咲は素直にうなずいた。
「せやな。みんなで楽しもう!」
結局、最初は大きな観覧車に乗ることになった。
四人で同じゴンドラに乗り込むと、亮介は窓の外を見ながら、さっそく写真を撮り始めた。
「おお、結構高いな。下の人、めっちゃ小さいで」
「亮介、さっき絶叫系は嫌や言うとったのに、高いとこは平気なん?」
紗季が尋ねる。
「これは自分で動かされへんからええねん」
「ジェットコースターも自分では動かされへんやろ」
「そういう話ちゃうねん!」
美咲は笑いながら窓の外を見た。
遠くまで街が広がっている。いつも通っている学校も、花火部の建物も、この高さからなら見つけられそうな気がした。
「なあ、みんな。こういうとこ、卒業してからも来たいな」
美咲が言うと、紗季がうなずいた。
「ええな。大学生になっても、働くようになっても」
「大人になっても絶叫系乗れるんかな」
亮介が真剣な顔で言う。
「年齢制限あるん?」
「いや、体力の問題や」
「まだ高校生やのに、何を心配しとんねん」
紗季が笑う。
直人は三人の話を聞きながら、窓の外へ視線を向けた。
「卒業したら、今みたいに毎日会うことはなくなるやろうな」
その言葉に、三人の声が少し落ち着いた。
直人はもう高校三年生だ。花火部で一緒に過ごせる時間も、残り少なくなっている。
美咲は、そのことを考えないようにしていた。
「でも、会おうと思ったら会えるやん」
美咲は言った。
「卒業したら終わりとか、そんなん嫌やし。みんなでまた遊びに来たらええねん」
「せやな」
直人は美咲を見た。
「そのためにも、連絡先くらいちゃんと残しとかなあかんな」
「え、直人先輩、俺らの連絡先知らんの?」
亮介が驚いた声を上げた。
「部活の連絡網はあるやろ」
「個人的なやつですよ、個人的なやつ!」
「何でそんな強調すんねん」
「いや、先輩、意外とそういうとこ抜けてるから」
「亮介に言われたないわ」
直人が苦笑すると、紗季が携帯を取り出した。
「ほな、今交換しよ。美咲、あんた昨日、私に送るって言うてた写真、まだ送ってへんやろ」
「あっ……忘れてた」
「やっぱり」
「帰ったら送るつもりやってん!」
「それ、昨日も聞いたで」
「今日は絶対送る!」
「その言葉、信用してええんかな」
四人で連絡先を交換した。
美咲は直人の名前が画面に表示されているのを見つめた。
部活の連絡網に名前があるのとは違う。
自分の携帯に、直人と直接つながる場所ができた。
それだけのことなのに、何度も画面を確かめたくなった。
昼食を終えたあと、四人は絶叫系のアトラクションへ向かった。
美咲は列に並んでいる間も、落ち着かなかった。
「なあ、ほんまに乗るん?」
亮介がもう一度確認する。
「乗るに決まってるやん」
「俺、さっきからずっと後悔してんねんけど」
「今さら遅いわ」
「直人先輩、助けてください」
「俺に言われてもなあ」
直人は困ったように笑った。
「嫌やったら、無理せんでもええんちゃう?」
「いや、ここで降りたら美咲に一生言われるんで」
「分かっとるやん」
美咲が得意げに笑った。
やがて順番が来た。
乗り込む直前、スタッフの案内を聞きながら、美咲は座席に腰を下ろした。安全バーが下りると、急に胸が高鳴った。
本当に乗るのだ。
隣を見ると、直人が安全バーを確認していた。
「美咲、大丈夫?」
「大丈夫! 全然平気!」
「顔、ちょっと緊張しとるで」
「してへんって!」
「そっか」
直人はそれ以上からかわなかった。
コースターがゆっくりと動き出す。
最初の坂を上り始めたところで、亮介の声が聞こえた。
「待って待って、思ったより高いやん!」
紗季が笑いながら叫ぶ。
「亮介、あんたが一番うるさい!」
次の瞬間、コースターが急降下した。
美咲の声は、自分でも驚くほど大きかった。
風が顔に当たり、景色が一瞬で流れていく。怖いのか楽しいのか、自分でも分からない。ただ、胸の奥から何かがあふれるように笑いがこみ上げてきた。
最後にホームへ戻ってきたとき、亮介はぐったりしていた。
「もう無理……。今日の分の寿命、だいぶ使うた気がする」
「大げさやなあ!」
美咲は笑いすぎて、目元に涙が浮かんでいた。
「めっちゃ楽しかった!」
「お前、ほんまに元気やな……」
亮介は呆れた顔をしながらも、少し笑った。
直人も楽しそうだった。
美咲はその顔を見て、また胸が弾んだ。
自分が楽しいと思う時間に、直人もいてくれる。
そのことが、何よりうれしかった。
午後になると、紗季と亮介はお土産を見に行くことになった。
「美咲らはどうする?」
紗季に尋ねられ、美咲は直人を見た。
「私は……」
言いかけて、言葉に詰まる。
直人は少し考えてから答えた。
「俺は、あっちの売店を見てみたいかな。美咲も来る?」
「うん!」
返事が早すぎた。
亮介がにやにやしながら口を挟む。
「ほな、俺らは別行動でええな」
「何でそうなんねん!」
「お土産、ゆっくり見たいからや」
「さっきまで俺に助け求めとったくせに」
直人が笑うと、亮介は悪びれもせず肩をすくめた。
「もう十分助けてもろたんで」
紗季も笑いながら、美咲に目配せした。
「ほな、あとで合流しよ。迷子にならんようにな」
「子どもちゃうねんから!」
「前に部室で自分の鞄探しとった人が何言うてんの」
「それは……あれは机の下にあったから!」
「つまり、自分で置いた場所を忘れたんやろ」
「もうええって!」
二人が去っていくと、美咲は直人と並んで歩き始めた。
急に、周囲の音が大きく感じられた。
さっきまで四人で話していたのに、今は隣に直人しかいない。
何か話したい。
けれど、何を話せばいいのか分からなかった。
「疲れた?」
直人が尋ねた。
「ううん。全然!」
「さっきのジェットコースター、すごい声出とったな」
「直人先輩も出とったやん!」
「俺も?」
「うん! 途中で、うわっ、て言うてた!」
直人は少し驚いたあと、笑った。
「よう聞いとったな」
「そら、隣やったし」
答えてから、美咲は自分の言葉を意識した。
隣だったから。
たったそれだけのことを、ずっと覚えていた。
売店には、遊園地のキャラクターを模した小物や、菓子の箱が並んでいた。
美咲は棚を見ながら、ひとつのキーホルダーを手に取った。小さな花火の形をしていて、中央には色とりどりのガラスが埋め込まれている。
「これ、かわいいな」
「ほんまやな」
直人が隣から覗き込んだ。
「花火の形やから、気になったん?」
「それもあるけど……なんか、今日の記念にええかなって」
「記念か」
「うん。みんなで来た記念」
美咲はそう言ってから、少し迷った。
四人でおそろいにしたら楽しそうだ。けれど、直人と二人で同じものを持つことにも、ひそかな憧れがあった。
そんなことを考えている自分が恥ずかしくて、キーホルダーを棚に戻しかけた。
「美咲は、それにするん?」
直人が尋ねた。
「え?」
「気に入ったんやろ?」
「うん。でも、ちょっと迷ってて」
「ほな、もうちょっと見てから決めたらええやん。時間あるし」
何気ない言葉だった。
急かさず、からかわず、決めつけない。
直人はいつも、こういうふうに接してくれる。
美咲はキーホルダーをもう一度手に取った。
「……やっぱり、これにする」
「ええやん」
直人も棚から、同じ花火のキーホルダーを手に取った。
美咲は思わず彼を見た。
「直人先輩も、それ買うん?」
「うん。部室の鍵につけようかなと思って」
「ほんまに?」
「何でそんな驚くん」
「いや、なんでもない!」
美咲は慌てて笑った。
同じものを選んだ。
それだけのことなのに、心の中が落ち着かなくなった。
待ち合わせ場所へ戻ると、紗季と亮介はベンチで休んでいた。
亮介の手には大きな袋がある。
「おかえり。何買うたん?」
「お菓子。家族に頼まれてたんもあるし」
紗季は小さな袋を持ち上げた。
「私はこれ。美咲は?」
「花火のキーホルダー!」
美咲が袋から取り出すと、直人も自分の買ったものを見せた。
「俺も同じやつ買うた」
亮介が二人を交互に見た。
「へえ。おそろいやん」
「たまたまやって!」
美咲はすぐに言った。
「誰も何も言うてへんやろ」
紗季が笑いをこらえながら答える。
「いや、亮介が変な顔するから!」
「俺、普通の顔やけど」
「普通ちゃう!」
直人はキーホルダーを袋に戻しながら、特に気にした様子もなく言った。
「花火部らしくてええんちゃう?」
その言葉に、美咲は少しだけ救われた。
直人にとっては、花火部の仲間と過ごした一日の記念なのだろう。
自分にとっては、それだけではなかった。
けれど、今はそれでよかった。
いつか、自分の気持ちを言葉にできる日が来るのだろうか。
そんなことを考えながら、美咲はキーホルダーを大切に袋へしまった。
帰りの電車は、行きよりも静かだった。
亮介は座席にもたれて眠りかけ、紗季は今日撮った写真を整理している。
直人は窓の外を眺めていた。
美咲は携帯を取り出し、遊園地で撮った写真を見返した。
ジェットコースターの前で笑う四人。
観覧車の中でふざける亮介。
紗季が撮った、アトラクションに乗る直前の自分と直人。
どの写真にも、今日の時間が残っていた。
「写真、見とるん?」
隣から直人が声をかけた。
「うん。今日、いっぱい撮ったから」
「俺にも送ってくれる?」
「もちろん!」
美咲は画面を見せた。
直人は一枚ずつ眺めて、楽しそうに笑った。
「これ、亮介の顔すごいな」
「でしょ! もう、ほんまにおもしろかってん!」
「これ、紗季が撮ったんかな」
「うん。私、撮られてるの全然気づいてへんかった」
写真の中の美咲は、直人の隣で笑っていた。
自分でも驚くくらい、楽しそうな顔だった。
「ええ写真やな」
直人が言った。
「……うん」
美咲は小さくうなずいた。
「また、みんなで来たいな」
「そうやな。今度は別のとこでもええし」
「ほんま? 約束やで」
「約束」
直人は自然に答えた。
美咲はその言葉を胸の中で繰り返した。
約束。
いつか、今日のことを懐かしく思い出す日が来るのだろうか。
今の自分には、まだ分からない。
ただ、今日という一日が終わってほしくなかった。
駅に着くと、四人は改札の前で別れることになった。
「今日は楽しかったわ。また行こな」
紗季が言った。
「次は俺、もっと穏やかなとこがええねんけど」
亮介がぼやく。
「次も絶叫系やろ!」
「何でやねん!」
美咲が笑うと、直人も笑った。
「ほな、また部活でな」
「うん。また明日!」
美咲は直人の背中が人混みに紛れていくまで、ほんの少しだけ見送っていた。
紗季が隣に並ぶ。
「美咲」
「何?」
「今日、楽しかった?」
「うん。めっちゃ楽しかった!」
「そっか」
紗季はそれ以上、何も尋ねなかった。
美咲は自分の手の中にある袋を見た。
花火のキーホルダーが入っている。
直人と同じもの。
今日のことを思い出すたび、きっとこれを見るのだろう。
家に帰ってから、美咲は机の上にキーホルダーを置いた。
しばらく眺めていたが、やがて携帯を手に取った。
直人に写真を送ろう。
そう思ったのに、最初の一言が決められなかった。
『今日はありがとう』
それだけでいいはずなのに、何度も打ち直した。
結局、美咲は写真を添えて、短いメッセージを送った。
『今日はありがとう! めっちゃ楽しかった。またみんなで行こうな!』
送信したあと、携帯を伏せた。
すぐに返事が来るとは思っていなかった。
それでも、通知が鳴るたびに画面を確かめてしまう。
しばらくして、直人から返信が届いた。
『こちらこそ。楽しかったな。また行こう』
美咲はその文章を読んで、思わず笑った。
何度も読み返すような言葉ではない。
特別なことが書かれているわけでもない。
それでも、今日の終わりに直人から届いた言葉が、うれしかった。
机の上のキーホルダーを手に取る。
小さな花火は、部屋の明かりを受けて静かに光っていた。
美咲はそれを、いつも目に入る場所に飾った。
明日になれば、また学校がある。
花火部の活動もある。
直人と顔を合わせれば、今日のことを思い出して、少し気まずくなるかもしれない。
それでも、会いたかった。
今までと同じように話せるだろうか。
今日より少しだけ、近くなれるだろうか。
答えはまだ分からない。
美咲は携帯を枕元に置き、明日のことを考えながら眠りについた。
恋が始まるときは、きっと、もっと分かりやすいものだと思っていた。
けれど美咲の気持ちは、誰かに宣言するようなものではなく、日々の小さな出来事の中で、少しずつ大きくなっていた。
一緒に笑ったこと。
隣に座ったこと。
同じものを選んだこと。
また会おうと約束したこと。
その一つひとつが、彼女の中に残っていく。
そして美咲はまだ知らなかった。
自分が何気なく大切にしている今日という一日が、いつか振り返ったとき、忘れたくない思い出のひとつになっていることを。
コメント
1件
読了しました。第13話、めちゃくちゃ良かったです。 遊園地の一日を通じて、美咲の「まだ言葉にできない恋心」が積み重なっていく感じがじんわり伝わってきました。特に、あの花火のキーホルダーを直人先輩も“偶然”買ってたシーン、あれは読んでて心臓が跳ねました。本人たちは「たまたま」と言い合うけど、お揃いという事実だけで特別な記念になる——そういう高校生ならではの繊細な距離感が、本当に丁寧に描かれていて素敵です。 連絡先を交換して、家に帰ってから短いメッセージを送るシーンも好きです。あの「何度も打ち直す」感覚、分かります。日常の小さな出来事の連なりが、いつか振り返ったときの大切な思い出になる——そのことをそっと教えてくれる、温かい回でした。続きが楽しみです。