テラーノベル
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クラス会が始まってから、およそ一時間後。
いい感じに盛り上がってきたところで、出入口の木製ドアが勢い良く開かれた。
「よぉ! 元一年八組の諸君、久しぶり!」
フレームが太めの黒いダテメガネを掛けた上背のある男が、店の中に入ってきた途端、口笛と歓声、拍手と女性陣の黄色い声が湧き上がる。
「お! 英雄登場じゃん! 賢、お帰り!!」
インチョーが来たばかりの高西賢の元に駆け寄ると、二人がハイタッチを交した。
「ファルコンズにいた時、立川には遠征でちょいちょい来てたけどさ、やっぱ地元はいいねぇ。あ、そうそう。俺、今年からヨグルトスパローズでプレーするんで、みんな応援ヨロシクッ!」
数年振りに賢を間近で見た志絵は、ますますイケメンに進化した元クラスメイトにハッとする。
ダークブラウンに染まった、緩く癖のある長めの髪に、ぱっと見コワモテに見える一重瞼のシャープな顔立ち。
スマートな体型は、良く見ると筋肉が付いているせいか、意外にもガッチリしている。
胸元に輝く細い金のネックレスとキレイめカジュアルの服装が、意外なほど合っていた。
母校初のプロ野球選手の登場に、元八組のメンツが賢に近付き、囲んでいる。
(アイツ、すっかり雲の上の存在になっちゃったねぇ……)
志絵は、グレープフルーツサワーを口に含みながら、異彩を解き放つ男をぼんやりと眺めていた。
「なぁ賢、せっかくだし座ったらどうよ」
インチョーが出入口付近にいる賢に席を勧めると、彼がキョロキョロと店内を見回す。
「ってかさ、席、どこ空いてんの?」
「総長の隣が空いてるから座ったら?」
「お? 総長、来てんだ?」
インチョーの言葉に、志絵がビクッと身体を震わせる。
背後から近付いてくる足音に続き、椅子が引かれる音とともに、大きな人影が彼女の横にドカッと現れた。
「よぉ総長! 久しぶりだなぁ。元気でやってっかぁ?」
言いながら賢が、志絵の肩をポンッと軽く叩き、ダテメガネを外して襟元に挿す。
「高西、久しぶりじゃん。今年からスパローズに移籍したんだね。年末のニュースで知ったよ。それにしても…………アンタ、プロに入ってから、随分チャラくなったよねぇ」
「こう見えてさ、俺もプロの世界に入ってから色々苦労してんのよ〜」
賢の大きくて無骨な手が横から伸びてくると、志絵のグレープフルーツサワーのグラスを奪い、グビッと流し込んだ。
「あっ! ちょっと!! アンタ、なに勝手に人のお酒を飲んでんの!?」
コメント
1件
わあ、久しぶりの再会シーン、すごく胸がときめきました!高西賢、プロ野球選手になってるなんて驚きですけど、それ以上に相変わらず豪快な奴だなって(笑)。勝手に志絵ちゃんのサワー飲んじゃうとこ、ほんとアイツらしい……でもダテメガネ外して襟元に挿す仕草、ちょっとカッコよくないですか?二人の空気感が絶妙で、この先どうなるのか気になって仕方ないです✨
管野アリオ
733
#大人ロマンス
桃下結衣
208
#ロマンスファンタジー
Jasmine
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