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ruruha
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#読み切り
ruruha
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み う .
眠狂四郎
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コメント
1件
あー、これすごく分かる。昼は平気なのに夜になると将来が急に重くなる感覚、めちゃくちゃリアルだった。「夜の脳って解決する気ないくせに問題だけ並べる」って蓮司の台詞、思わず笑っちゃったけど核心を突いてるなあ。あと「十年後の心配を今日の問題みたいに感じる」って距離感の話、なるほどなって思った。夜の不安は“増幅”であって“検討”じゃないって言葉も沁みる。静かな会話劇なのに、すごく心に残るエピソードだったよ。
ドアが開く。
相談者は席に座るなり言った。
「昼は平気なのに、夜になると急に将来怖くなる……」
蓮司は椅子を引く。
「どんな感じ」
「進路とか。仕事とか。お金とか」
「急に始まる?」
「始まる」
蓮司は座った。
「昼は考えない?」
「考えるけど、そこまでじゃない」
「夜だけ重い」
相談者は頷く。
少し間。
「何時くらい」
「寝る前」
「なるほど」
蓮司は軽く頷いた。
「結構普通だな」
相談者は苦笑する。
「最近そればっかり言うな」
「普通な相談多いからな」
少し沈黙。
「何で夜なんだろ」
蓮司は机に肘をつく。
「暇だから」
相談者は眉を寄せた。
「身も蓋もないな」
「でも結構大事だぞ」
間。
「昼って情報多い」
「うん」
「学校」
「うん」
「人」
「うん」
「やること」
「うん」
「脳が忙しい」
相談者は黙る。
「夜は逆」
少し静かになる。
「急に静かになる」
「そう」
「だから考え始める」
間。
「でも考えるだけならいいんだよ」
相談者は言った。
「考え始めると止まらない」
蓮司は頷く。
「夜の脳ってな」
「うん」
「解決する気ないくせに問題だけ並べる」
相談者は吹き出した。
「分かる」
「答えは出ない」
「出ない」
「でも不安だけ増える」
少し沈黙。
「最悪だな」
「結構な」
間。
「でも将来不安になるのは普通じゃない?」
「普通」
「じゃあ何が問題なんだ」
蓮司は少し考えた。
「夜の不安って、距離感がおかしくなる」
相談者は首を傾げる。
「距離感?」
「例えば」
蓮司は続ける。
「十年後の心配」
「うん」
「二十年後の心配」
「うん」
「老後の心配」
「うん」
「全部今日の問題みたいに感じる」
相談者は黙った。
「……確かに」
間。
「今すぐ何とかしなきゃみたいになる」
「でも実際は違う」
少し静かになる。
「お前さ」
「何」
「夜に将来考えて、何か決まったことあるか」
相談者は少し考えた。
「ない」
「俺もそんな気がする」
相談者は笑った。
間。
「じゃあ考える意味ない?」
「意味ゼロではない」
「うん」
「でも、夜の不安は“検討”じゃなくて“増幅”になりやすい」
相談者は黙る。
「考えてるようで、同じところ回ってる」
「それもある」
少し沈黙。
「何かさ」
「何」
「周りが進んでる気がするんだよ」
「夜に?」
「夜に」
「便利だな周り」
相談者は吹き出した。
「どういう意味だよ」
「寝てるかもしれないのに、お前の中では進んでる」
間。
「確かに」
「実際は見えてない」
蓮司は続ける。
「夜の不安って、証拠少ない」
相談者は黙る。
「想像が多い」
「うん」
「しかも悪い方」
「うん」
「だから強い」
少し静かになる。
「じゃあどうすればいい」
蓮司は少し考えた。
「夜に人生決めない」
相談者は笑った。
「それだけ?」
「結構大事」
間。
「夜の自分に重大な判断させるな」
「信用低いな」
「不安で視野狭くなってるからな」
相談者は黙る。
少し沈黙。
「なんか」
「何」
「将来が怖いというより」
蓮司は待った。
「何も決まってないのが怖いのかも」
蓮司は頷く。
「そっちだろうな」
間。
「でも高校生なんて、決まってない方が普通だ」
相談者は少し息を吐いた。
「昼に聞いたら納得できそう」
「夜は無理かもしれないな」
相談者は笑った。
ドアの前で立ち止まる。
「とりあえず、夜の不安で人生判定しないようにする」
「それで十分」
ドアが閉まる。
夜は静かだ。
だから不安の声も大きく聞こえる。
でも、大きく聞こえることと、 本当に大きな問題であることは、 同じではない。