テラーノベル
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ドアが開く。
「……失礼します」
「どうぞ」
生徒は入ってきて座る。
今日は少し言いづらそうにしている。
「なんか……
LINEの通知、めっちゃ気になるんです」
日下部は目を向ける。
「来てないのに確認したり」
「うん」
「通知鳴った気して見ると、何もなかったり」
視線が落ちる。
「で、来てないとちょっと落ち込むというか」
少し間。
「逆に来たら来たで、返信考えて疲れるんですけど」
短く息を吐く。
「なのにずっと気にしてしまって」
「待機状態になってるな」
日下部は言う。
生徒は少し顔を上げる。
「……待機?」
「“何か来るかも”で頭が止まってない」
短く言う。
生徒は黙る。
「特に夜、多くないですか」
日下部は続ける。
「スマホ置いても、また触る」
生徒は苦笑する。
「……あります」
「で、何もないとちょっと削られる」
「はい」
小さく頷く。
日下部は少し間を置く。
「通知って、“必要”だけじゃない」
短く言う。
「“自分が繋がってる確認”にもなってる」
生徒は止まる。
「……あ」
「来ると、“ちゃんと誰かと繋がってる”感じする。来ないと、不安になる」
生徒は黙る。
「じゃあ、どうしたらいいですか」
「確認回数減らす、は多分無理」
即答。
生徒は少し笑う。
「……無理です」
「だから、“来ない時間”を異常扱いしない」
短く言う。
「異常扱い?」
「通知ない=自分に価値ない、みたいに繋げない」
生徒は視線を落とす。
「……ちょっとやってました」
「あと」
「はい」
「返信を“作品”にしすぎ」
日下部は言う。
生徒は止まる。
「え」
「変じゃないか、冷たくないか、考えすぎてる」
短く言う。
「……めっちゃ考えます」
「相手はそこまで精査してないこと多い」
生徒は黙る。
「なんか、自分だけ通知に振り回されてる感じでした」
「スマホが“人間関係の入口”になりすぎてるんだろうな」
短く返る。
生徒は立ち上がる。
ドアの前で止まる。
「通知ないだけで不安になるの、ちょっと嫌でした」
「今はそうなるやつ多い」
短く返る。
ドアが閉まる。
通知はただの連絡じゃない。
“自分が誰かと繋がっている証拠”みたいに感じることがある。
コメント
6件
自分もなんか相談しても良い感じ、? 日下部くんに
#読み切り