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中学二年生・仮名:Mさん
友達と遊んでいるとき、
相手が楽しそうじゃないと
すごく不安になります。
笑っていても、
「本当はつまらないんじゃないか」
とか考えてしまいます。
会話が少し途切れたり、
相手がスマホを見たりすると、
「自分といて退屈なんじゃないか」
と思ってしまいます。
そうなると、
無理に話題を探したり、
面白いことを言わなきゃと
焦ります。
でも、帰ったあと
「なんであんなに頑張ったんだろう」
と疲れます。
相手が楽しそうじゃないと
落ち着かないのは
普通なんでしょうか。
遥
「“普通かどうか”で言うと」
少し考える。
「珍しくはない」
蓮司
「わりと多いタイプ」
Mさん
「そうなんですか」
日下部
「Mさんは
“相手の楽しさ”を自分の責任にしている」
Mさん
「責任」
遥
「相手が退屈そう=自分が失敗してる」
Mさん
「……そう思います」
蓮司
「でもそれ、結構きつい役割だぞ」
Mさん
「きつい」
遥
「相手の感情、全部管理することになる」
Mさんは少し黙る。
「確かにそうかもしれません」
日下部
「人は自分の機嫌を
完全にはコントロールできない」
遥
「だから」
少しゆっくり言う。
「他人の機嫌は、もっとコントロールできない」
Mさん
「……」
蓮司
「例えばな」
椅子を揺らす。
「相手が黙った理由」
指を折る。
「眠い
考え事
腹減った
スマホ通知
ただぼーっとしてる」
遥
「全部、Mさん関係ない可能性ある」
Mさんは小さく笑う。
「確かに」
日下部
「しかしMさんは
その沈黙を“自分の責任”に変換する」
Mさん
「はい」
遥
「その瞬間、焦りモード入る」
Mさん
「入ります」
蓮司
「で」
指をくるくる回す。
「会話エンジン全開」
遥
「面白いこと言わなきゃ
盛り上げなきゃ」
Mさん
「そうです」
日下部
「それは
一種の“サービス精神”でもある」
Mさん
「サービス」
遥
「相手に楽しい時間提供しようとしてる」
蓮司
「優しいっちゃ優しい」
少し肩をすくめる。
「でも、ずっとそれやると疲れる」
Mさん
「……はい」
遥
「友達って」
少し間。
「客じゃない」
Mさん
「客」
蓮司
「サービス受けに来てる客じゃない」
遥
「二人でいる時間」
手を軽く広げる。
「半分ずつ作るもんだ」
Mさんは考える。
「でも」
少し迷う。
「相手がつまらなかったら申し訳ないです」
日下部
「Mさんは
“相手の感情の責任者”になっている」
遥
「でもな」
静かな声。
「人は自分で楽しむ力もある」
Mさん
「自分で」
蓮司
「つまんなかったら話振るし」
遥
「眠かったらぼーっとする」
蓮司
「帰ることだってある」
Mさん
「……」
日下部
「相手には相手の選択がある」
Mさんは少し黙る。
「じゃあ」
小さく言う。
「相手が楽しそうじゃなくても
気にしなくていいんですか」
遥
「気にするのはいい」
蓮司
「でも、責任までは持たなくていい」
日下部
「観察することと背負うことは違う」
Mさん
「背負う」
遥
「Mさんは背負いすぎ」
蓮司
「相手の機嫌、背負ってる」
Mさんは少し笑う。
「重いですね」
遥
「結構重い」
蓮司
「人一人分だしな」
少し静かになる。
Mさんが言う。
「もし」
少し考える。
「相手が本当につまらなかったら
どうすればいいですか」
遥
「そのときは」
短く言う。
「つまらない時間だった」
蓮司
「それだけ」
Mさん
「それだけ」
日下部
「すべての時間が成功である必要はない」
遥
「友達でも微妙な日ある」
蓮司
「普通にある」
Mさんはゆっくり頷く。
「それなら少し楽かもしれません」
遥
「相手が楽しそうかどうか」
少し考える。
「気にするのは優しさ」
蓮司
「でも」
肩をすくめる。
「自分の心拍数上がるほど気にしなくていい」
日下部
「人は互いの機嫌を完全には管理できない」
静かな声。
「それでも関係は続く」
Mさんは立ち上がる。
ドアの前で振り返る。
「楽しませなきゃって
思いすぎてたかもしれません」
遥
「たぶんな」
蓮司
「友達は客じゃない」
日下部
「同じ時間を共有する相手」
Mさんは小さく頭を下げた。
ドアが閉まる。
蓮司が言う。
「“楽しませ係”になる人いるよな」
遥
「優しいタイプほどな」
日下部はゆっくり言う。
「優しさは」
少し間。
「ときどき、 責任に変わってしまう」
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