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高校二年生・仮名:Aさん
周りに、すごく頑張ってる人がいます。
勉強も部活もちゃんとしていて、結果も出しています。
本当はすごいと思うし、応援したい気持ちもあります。
でも、それと同時にしんどくなります。
自分はそこまで頑張れていない気がして、比べて落ち込みます。
SNSとかでも、努力してる人を見ると見ていられなくなります。
こんなふうに思ってしまう自分が嫌です。
どうすればいいんでしょうか。
遥
「普通の反応」
Aさん
「普通なんですか」
蓮司
「わりとある」
日下部
「比較が発生している状態」
Aさん
「比較」
遥
「人を見ると」
少し間。
「どうしても自分と並べる」
Aさん
「……はい」
蓮司
「で」
手を軽く振る。
「負けてる気がする」
Aさん
「そうです」
遥
「そのとき」
少し視線を上げる。
「見てるのは“結果の切り取り”」
Aさん
「切り取り」
日下部
「過程の全体ではなく一部だけが可視化されている」
Aさん
「でも」
少し強く。
「結果が出てるのは事実ですよね」
遥
「事実」
短く。
「だからきつい」
Aさんは黙る。
蓮司
「ここで一個」
指を立てる。
「勘違いしやすいポイント」
Aさん
「何ですか」
蓮司
「“あの人はすごい”と“自分はダメ”は」
少し間。
「セットじゃない」
Aさん
「……」
遥
「でも今」
静かに言う。
「セットにしてる」
Aさん
「してます」
日下部
「他者評価と自己評価が連動してしまっている」
Aさん
「……」
遥
「切り離す」
Aさん
「切り離す」
遥
「あの人はすごい」
少し間。
「それだけで終わり」
Aさん
「それだけ」
蓮司
「“だから自分はダメ”を後ろに付けない」
Aさん
「……」
少し考える。
「でも自然に出てきます」
遥
「癖」
短く。
「すぐには消えない」
日下部
「では別の角度」
静かに言う。
「“しんどくなる対象”を減らす」
Aさん
「減らす」
蓮司
「SNSとか」
肩をすくめる。
「見ない時間作る」
Aさん
「逃げじゃないですか」
遥
「調整」
即答。
蓮司
「ダメージ食らい続ける方が非効率」
Aさん
「……」
日下部
「入力を制御することは思考の管理の一部である」
Aさんは少し黙る。
「でも」
小さく言う。
「頑張ってる人を見ると焦ります」
遥
「焦りは悪くない」
Aさん
「え」
蓮司
「使い方次第」
遥
「“自分もやらなきゃ”じゃなくて」
少し言葉を区切る。
「“自分は何をやるか”に変える」
Aさん
「何を」
日下部
「比較対象を他人ではなく自分の行動に移す」
Aさん
「……」
遥
「例えば」
少し考える。
「昨日より10分やる」
蓮司
「一個だけやる」
日下部
「具体化する」
Aさんはゆっくり頷く。
「でも」
少し迷う。
「どうしても比べてしまうときは」
遥
「比べてもいい」
Aさん
「いいんですか」
遥
「ただし」
少し間。
「比べ方を変える」
Aさん
「比べ方」
蓮司
「“結果”じゃなくて」
指を立てる。
「“やり方”を見る」
Aさん
「やり方」
日下部
「観察に近い」
Aさん
「……」
遥
「何やってるか、どうやってるか」
蓮司
「盗めるとこだけ盗む」
Aさん
「……」
少しだけ表情が変わる。
「それなら」
遥
「ダメージ減る」
日下部
「比較が学習に変わる」
Aさんはしばらく黙る。
「頑張ってる人を見ると」
小さく言う。
「自分が空っぽに感じてました」
遥
「空っぽではない」
短く。
「ただ」
少し間。
「他人で埋めてる」
Aさん
「……」
蓮司
「基準が外にある状態な」
日下部
「それでは揺れやすい」
Aさんは立ち上がる。
ドアの前で振り返る。
「全部見ないようにするんじゃなくて」
少し言う。
「見方を変えればいいんですね」
遥
「それが現実的」
蓮司
「あと距離も調整な」
日下部
「過度な刺激は避ける」
Aさんは小さく頷く。
「少し楽になりました」
遥
「それでいい」
蓮司
「十分」
日下部
「変化は段階的である」
ドアが閉まる。
静かな空気。
蓮司が言う。
「“他人の頑張りで削られる人”って結構いるよな」
遥
「真面目なやつほどな」
日下部は静かに言う。
「比較は」
少し間。
「使い方を誤ると自己否定に変わる」