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昼休み、隼人・萌絵・涼は空き教室に集まっていた。机を囲んで小声の作戦会議。黒板には大きく「サプライズ同盟」と書かれている。
 「――で、柊の予定をどうやって崩す?」
 隼人がペンをくるくる回しながら眉をひそめる。
 「甘いもの好きの柊を“限定スイーツ”で釣るのは?」
 萌絵がスマホを掲げ、期間限定パフェの写真を見せた。
 「いいね、それなら夕方までは足止めできる」
 涼がうなずく。
 グループLINEで送るとすぐさまスマホが鳴った。
 柊:『パフェ?いいね。じゃあ大地とその店寄ってからゲーセン行くわ』
 「……利用されたーー!?」
 隼人の叫びに教室の空気がずっこける。
 「むしろ予定が充実しただけだな」
 涼が肩をすくめる。
 萌絵も苦笑しながら可愛い仕草をとりつつ。
 「計画失敗☆」
 「くっそ……!」
 隼人は頭を抱える。
 廊下の向こうから大地の声が響いた。
 「隼人ー!今日、放課後練習付き合ってくれる?」
 隼人はドキリとしながらも、必死に平静を装う。
 「……お、おう、もちろん!」
 大地は何も気づいていない。
その無邪気な笑顔に、隼人の決意は逆に強まった。
 (絶対、サプライズを成功させる――!)