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放課後、人気のない廊下。遥が机に突っ伏して動けずにいると、日下部が無言でノートとペンを引き寄せる。


「……お前、立てるか」


返事はない。遥の目は虚ろで、口元は笑おうとすらしていなかった。


日下部は一度ため息をついてから、机を強く蹴った。


「ふざけんな! 立てよ!」


遥がわずかにびくっとして顔を上げる。


「お前……なんでそこまでやられて、まだ何も言わねぇんだよ」


日下部の声は怒鳴り声に近かったが、震えていた。


「……言ったら終わる」


遥は乾いた声で、言葉を切り捨てるように吐いた。


「“俺が”やってるってなるだけだ。お前まで巻き込まれる」


その言葉に、日下部は拳を握りしめていた。

誰もがそう思って黙ってきた。けれど、自分は違う。


「……巻き込めよ」


遥が眉をひそめる。


「俺は……見てるだけとか、もう無理なんだよ。殴られても、笑われてもいい。俺は、あいつらに“俺も標的だ”って言われてるんだろ。だったら……一緒にやられりゃいい」


沈黙が落ちる。遥の目にかすかな揺らぎが走った。

しかしそれは、安堵ではなく──罪悪感の震え。


「お前……馬鹿だな」


「知ってる」


日下部は即答して、机の上の遥の腕を無理やり引き上げた。


「もう一人で抱えるな。俺がいる」


遥は、その言葉の重さに応えられなかった。

だが同時に、胸の奥に新しい痛みが走る。


(……俺が一緒に壊す)


そう思ってしまうから。


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