テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
📩 相談
高校二年生・仮名:Nさん
友達から相談をされることが多いです。
最初は頼られている感じがして嬉しかったです。
でも最近は少ししんどいです。
話を聞いていると疲れるし、何て返せばいいか分からないこともあります。
なのに断れません。
相手が落ち込んでいると放っておけないし、返信もしなきゃと思います。
でも正直、相談が来る通知を見るだけで少し身構えてしまいます。
こんなこと思うのは冷たいんでしょうか。
遥
「冷たくはない」
蓮司
「うん」
日下部
「むしろ自然だな」
遥
「珍しく全員一致した」
蓮司
「相談って聞こえはいいけどさ、結構重いんだよ」
日下部
「他人の問題を一時的に預かる行為だからな」
遥
「それ。みんな軽く言うけど話聞く側も体力使う」
蓮司
「Nさんって多分、優しいんだろうな」
遥
「だから断れない」
日下部
「そして断れない人ほど消耗する」
遥
「嫌な仕組みだな」
蓮司
「でもあるあるだよ。相談される人って相談が苦手な人より相談を断るのが苦手な人が多い
遥
「分かる。聞けちゃうんだよな」
日下部
「聞けてしまう、と言うべきか」
遥
「それだ」
蓮司
「しかもさ、相談って一回だけじゃない場合もあるじゃん」
遥
「あー」
日下部
「同じ話を繰り返すケースもある」
遥
「あるある。本人は悩んでるんだけど聞いてる側は少しずつ削られる」
蓮司
「それで自己嫌悪するんだよね。“またか”って思っちゃって」
遥
「でも思うだろ普通」
日下部
「思う」
遥
「お前が言うと強いな」
日下部
「事実だからな。相談相手は人間だ。無限ではない」
蓮司
「これ大事かも。Nさんって相談されると責任感じてない?」
遥
「うわ」
日下部
「ありそうだな」
蓮司
「正解を返さなきゃとか何とかしてあげなきゃとか」
遥
「それやると終わる」
日下部
「終わるな」
蓮司
「お前ら言い方」
遥
「いや本当に。友達の悩み全部解決できる人なんていないだろ」
日下部
「存在しない」
蓮司
「聞くことと背負うことは別だからね」
遥
「これ結構大事。相談されるといつの間にか背負う人いる」
日下部
「だが背負えば背負うほど、相手のためにもならない」
遥
「なんで?」
日下部
「潰れるからだ」
蓮司
「シンプル」
日下部
「相談を受ける人間が消耗し切れば次から誰も支えられない」
ruruha
362
ruruha
272
ruruha
558
遥
「なるほどな」
蓮司
「だからNさん、相談がしんどいと思うのは冷たさじゃない。限界の感覚だと思う」
遥
「むしろ正常」
日下部
「通知を見て身構えるなら、既に負荷が大きくなっている可能性がある」
蓮司
「たまには、今日は余裕ない、ごめんって言っていいんだよ」
遥
「それで壊れる関係なら」
少し考える。
「最初から一人で支えてた関係かもしれないしな」
日下部
「珍しく良いことを言った」
遥
「珍しくは余計だ」
🗝 三人からのことば
遥
「相談がしんどいと思うのは、冷たいからじゃない」
蓮司
「聞くことと背負うことは別」
日下部
「他人を支えるには、自分の余力も必要だ」
コメント
1件
うわ、これすごく沁みた……。「相談されるほど優しい人が消耗する」って話、本当にその通りだなって。遥たち三人の掛け合いが絶妙で、特に日下部の「相談を受ける人間が消耗し切れば次から誰も支えられない」って言葉にハッとさせられた。相談って聞こえはいいけど、確かに一時的に他人の重みを預かる行為だよね。Nさんに「冷たくないよ」って全員一致した場面、優しい世界だなあと思いました。