テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
央雅
102
眠狂四郎
937
#読み切り
ruruha
1,751
#闇
ruruha
1,162
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
放課後。
教室の時計はもう授業の時間を過ぎてるのに、生徒はまだ帰っていない。
机に置いたままの鞄も閉じられている。
「休むの苦手なんです」
遥は黒板を見たまま。
「何を」
短く。
「全部です」
すぐ返る。
「学校も、人付き合いも、連絡返さないとかも」
一拍。
「ちゃんと理由ないと止まれない」
沈黙。
遥は机に指を置く。
「“許可制”になってるな」
短く。
生徒は顔を上げる。
「……許可制?」
遥は言う。
「熱あるから休む。用事あるから断る」
一拍。
「そういう“正当な理由”がないと止まれない」
教室が静まる。
「……はい」
小さく返る。
「疲れた、とかだけだと」
少し苦く笑う。
「サボってる感じする」
遥は否定しない。
「だろうな」
短く。
「お前」
一拍。
「“限界”まで行かないと止まれないタイプだ」
沈黙。
生徒は黙る。
遥は続ける。
「しかも」
短く。
「止まる時、毎回罪悪感付き」
教室の空気が少し重くなる。
「……あります」
小さく。
「休んでても落ち着かないです。なんか、“やってない”感じがして」
遥は言う。
「休みを、“生産停止”で見てる」
短く。
生徒は止まる。
「……違うんですか」
遥は机を軽く叩く。
「回復だ」
一拍。
「止めないと壊れる部分を戻してる」
教室が静まる。
「でも」
生徒は言う。
「周り、普通に動いてません?」
遥は短く返す。
「見えてないだけだ」
沈黙。
「動けてるやつでも、抜いてる。サボってる」
一拍。
「見せてないだけで」
教室の空気が少し変わる。
生徒は息を吐く。
「……自分だけずっと張ってたのか」
遥は言う。
「張り続けると」
短く。
「“止まる感覚”自体が下手になる」
沈黙。
「だから」
一拍。
「休んでも回復しない」
生徒は少し顔を上げる。
「……あ。止まってる間も」
小さく。
「ずっと責めてるからか」
遥は短く言う。
「そうだ」
教室が静まる。
「じゃあ」
生徒は言う。
「どうしたらいいですか」
遥は少しだけ間を置く。
「“限界だから休む”を減らせ」
短く。
「軽いうちに抜け」
生徒は眉を寄せる。
「……そんなのでいいんですか」
遥は言う。
「限界まで使う方が下手だ」
一拍。
「壊してから止めるな」
沈黙。
教室の外で誰かが笑う声がする。
「あと」
遥は続ける。
「理由探し始めたら」
短く。
「大体もう疲れてる」
生徒は少し笑う。
「……確かに」
一拍。
「“休んでいい理由”探してる時点で、もう休みたいんですよね」
遥は何も言わない。
生徒は立ち上がる。
「サボりかどうかじゃなくて」
一拍。
「回復必要か、で見ます」
ドアへ向かいながら言う。
疲れてから止まる癖がつくと、“休む”が異常行動みたいになる。
でも本来、休むのは崩れる前にやるものだ。