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#雑談
寿命㌫(主)
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コメント
1件
うわあ……読んでてすごく苦しかった。 凪が膝つくシーン、もう胸が締め付けられたよ。沙希の「全部こいつ」って言葉、残酷だけど本当にその通りで、でもそこまでしてまだ蒼のそばにいたいって思う気持ち、わかる気がする。 蒼の「馬鹿だな」って言い方、冷たくて少し優しくて、複雑すぎる。 言葉の一つ一つが心に刺さった。ruruhaさんの描く人間関係の細かさ、本当にすごいよ。次の展開が気になるけど、ちょっと怖い気持ちもある……。
膝が床に当たった音は、思ったより大きかった。
廊下に響く。
周りが一瞬だけ静かになる。
さっきまで笑っていた連中も、口を閉じた。
凪は顔を上げなかった。
床の白いタイルだけが見える。
視界が少しぼやけている。
蒼はしばらく動かなかった。
予想していた反応じゃなかったのかもしれない。
「……おい」
蒼が言う。
凪は反応しない。
誰かが小さく言った。
「やばくね」
別の声。
「さすがに」
空気が少しだけ変わる。
でも。
完全に止まるわけじゃない。
ただ。
どう扱えばいいのか分からない沈黙。
蒼が一歩近づいた。
「凪」
名前を呼ぶ。
返事はない。
蒼は眉をひそめた。
「おい」
凪の肩に軽く触れる。
その瞬間。
凪の体がびくっと震えた。
まるで驚いたみたいに。
蒼の手が止まる。
沙希がその様子を見ていた。
腕を組んだまま。
「ねえ」
静かな声。
蒼を見る。
「やりすぎた?」
蒼はすぐ答えなかった。
凪を見ている。
膝をついたまま、動かない背中。
蒼の友達の一人が言った。
「声かけた方がいいんじゃ」
「いやもう帰らせろよ」
「普通にやばいって」
ざわざわと声が広がる。
凪の耳には、全部遠く聞こえていた。
頭の中が静かすぎる。
蒼がもう一度言った。
「凪」
少し低い声。
「立てよ」
凪の指がわずかに動いた。
でも。
体は上がらない。
沙希が小さく息を吐いた。
「ねえ」
蒼に言う。
「ほんとに壊したんじゃない?」
その言葉で。
蒼の友達が顔を見合わせる。
蒼は数秒黙った。
それから。
しゃがんだ。
凪と同じ高さになる。
「おい」
凪の顔を覗き込もうとする。
でも。
凪は顔を上げない。
蒼の眉が少し寄る。
「……何それ」
小さく言う。
「泣いてんの?」
凪は首を振らなかった。
否定もしない。
ただ。
呼吸が少し乱れている。
蒼の友達が後ろで言う。
「帰らせろって」
「もういいだろ」
沙希はそれを聞いて、少し笑った。
「でもさ」
蒼を見る。
「ここまでやって」
少し首を傾ける。
「今さら優しくするの?」
蒼は答えない。
凪を見ている。
沙希は続けた。
「それ」
凪を指す。
「自分でここまで来たんだよ」
その言葉は静かだった。
でも。
はっきり残酷だった。
「蒼が来いって言ったから来た。
いらないって言われても帰らない。
ここで膝つくまで残る」
少し笑う。
「全部こいつ」
廊下が静かになる。
蒼の友達が黙る。
蒼はゆっくり立ち上がった。
凪を見下ろす。
「……凪」
凪の肩が少し震える。
蒼は数秒黙った。
それから。
静かに言う。
「ほんと馬鹿だな」
その言葉で。
凪の呼吸が一瞬止まった。
蒼は続ける。
「そこまでして」
少し笑う。
「何したいんだよ」
凪の視界がまた揺れる。
何も答えられない。
蒼は最後に言った。
「もう帰れ」
さっきと同じ言葉。
でも。
今度は少し違う。
「邪魔」
軽く言った。
周りがまた静かになる。
凪の指が床を握る。
ゆっくり。
立ち上がろうとする。
でも。
足が震える。
うまく立てない。
誰かが小さく言う。
「……やば」
蒼はそれを見て、目を細めた。
沙希は黙って見ていた。
凪は。
やっと立ち上がった。
顔を上げないまま。
そのまま。
廊下の出口に向かって歩き出す。
足が少しふらつく。
誰も止めない。
ただ。
見ている。
凪は一度も振り返らなかった。