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――笑い声。机を叩く音。
誰かが俺の言葉を繰り返して、バカにする。
全部、耳に刺さってくる。
やめろ、聞きたくない……そう思うのに、勝手に耳が拾ってしまう。
「俺なんか……いなくてもいい……」
自分の口から出たその言葉が、頭の中で反響してる。
本当にそうだ。そう思ってる。
いや、ずっと前から知ってた。
生きててごめんなさい。
存在してごめんなさい。
謝ることしかできない。
顔を伏せた机の木目が滲んで見える。涙なのか、ただ目が痛むだけなのか、自分でもわからない。
唇を噛んで、歯に血の味が広がる。
でも声は止まらない。
「……ごめんなさい……」
掠れて途切れる声が、自分でも情けなくて、吐き気がする。
机の下で震える手を、必死に握りしめる。
爪のない指先が、机の角に触れるたび鋭い痛みを刺す。
その痛みでようやく、自分がまだここにいるとわかる。
――なんで、俺、生まれてきたんだろう。
そう考えた瞬間、背筋が冷えた。
頭の中の声が、他人の声みたいに聞こえた。
「いなくなれば、全部終わる」
怖いのに、同時に少しだけ楽になりそうで……。
その誘惑に縋りそうになる。
でも、できない。
どうせ失敗する。
余計に笑われる。
「死ぬことすらできない雑魚」って。
笑われる未来がすぐに浮かんでしまって、余計に逃げ場がなくなる。
チャイムが鳴った。
昼休みが終わる。
周りが片付けて、席に戻っていく。
でも俺の机の周りだけは空っぽのまま。
ポツンと取り残されて、まるで「隔離」って言葉そのもの。
声を殺して息をする。
どうか誰も俺を見ませんように。
どうか、もうこれ以上は……。
そう祈っても、次の笑い声がすぐそこに待ってる。
それだけは、もうわかってしまっていた。