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7
るしゅ
授業が終わるチャイムが鳴り、周囲の生徒がぞろぞろと教室を出ていく。だが、俺だけは動けなかった。
背中のやけど、腕の痛み、爪の痺れ。全部が俺を重く縛り付ける。
「おい、まだいたのか」
声が後ろから響いた。振り返ると、あの前列の二人組がにやりと笑って立っていた。
「さっきの本音タイム、面白かったな」
「ねえ、続きを聞かせてくれよ」
俺は首をすくめ、机の上に顔を伏せる。
「……もう、やめて……」
小さく漏れる声が、さらに笑いを誘うだけだった。
一人が机の上に手を置き、軽く押す。
「ほら、起きろ。こっち向け」
無理やり顔を上げさせられると、やけどの跡に触れるように指が這った。
「うわ、やけどしてんじゃん。痛そう」
「それに髪も……燃えたまんまじゃん」
笑いながら髪を軽くつかみ、こちょこちょと引っ張る。
「いたっ……や、やめ……」
本音がついに声になって出る。懇願ではなく、ただの痛みの声だ。
「おー、泣きそうな顔してる」
「もっと聞かせてよ、何言いたいの?」
「生きてるのが辛いとか?」
俺の胸がぎゅっと締め付けられる。
思わず口をついて出る言葉。
「……助けて……誰か……」
「誰も助けないよ」
片方が笑い、もう一人は机の端を叩いてからかう。
「じゃあ、どうする? 死にたいけど怖いんだろ?」
言葉が的確すぎて、余計に心臓が痛い。
「……そう……だ……」
顔が熱くなり、涙がこぼれそうになる。
「……なんで、俺……こんな……」
「お、泣くの? 録画しとこっか」
「やめ……や、やめろ……」
声は小さく、懇願に近いけど、完全な屈服ではない。
痛みと羞恥で震えながら、ただ立っているしかなかった。
「ほら、机に手つけよ。ちゃんと屈んで」
「うわ、爪見えちゃってるじゃん。痛そう」
一人が爪を指で撫でてくる。痺れがさらに増す。
「……や、やめ……本当に……」
口から出る言葉は断片的で、どれも弱音そのもの。
だが、聞いてる側には笑いの材料でしかなかった。
時間がゆっくりと過ぎ、教室の中は密室のように締め付けられる。
逃げ場も、助けも、ない。
ただ、笑い声の中で、俺は縮こまるしかなかった。
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